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特別取材

PB(プライベートブランド)がもたらした功罪(3)
特別取材
2009年11月19日 08:00

売場活性化の一方で、売上げ、利益は減少。 PBは流通不況の福音にはならない。

3. 品質と安さを両立したPB トップバリュ

 無印良品はブランドとして確立していったが、ダイエーも食料品や日用雑貨で「セービング」、衣料品を中心にした「愛着仕様」などのPBを開発した。ただ、こちらは低価格な商品群で、あくまでダイエーの店内で販売する商品にすぎなかった。
 一方、ジャスコはそれまでいろんなPBを販売していたが、94年に誕生した「トップバリュ」が好調な売れ行きとなったため、イオングループはPBの核に位置づけるべく他のPBを集約させて同ブランドに一本化した。
091119_pb_01.jpg 07年にはイオン(株)からPBの商品開発・販売会社として「トップバリュ(株)」が独立し、現在、同シリーズの商品をイオングループの各小売業に卸販売するまでに至っている。
 トップバリュは、「確かな品質、この安さ」をキャッチコピーに、衣食住の分野で現在約5000アイテムもの商品を揃えている。
 同グループのサイトには、94年当時、洗濯用合成洗剤の開発で、担当者がやし油の宝庫インドネシアに飛び、暇を見つけては自宅で洗濯のテストを繰り返すなど「本当にいい商品を作るために妥協しなかった」というエピソードが記されている。
 この1年間に開発されたアイテムは全部で約390品目。同社ではPBの開発には並々ならぬ情熱が注がれたのはいうまでもない。

◎売れたのに生産ストップの矛盾点

 現在、トップバリュはさまざまな派生PBが展開されている。有機栽培や減農薬など健康、地球環境に配慮した生鮮及び加工食品の「トップバリュ グリーンアイ」。トップバリュの中でも、特に高品質を目指した高付加価値商品で、米や生ハム、お茶、昆布などギフトにも対応できるラインナップが特徴の「トップバリュ セレクト」。
 他にも、環境保全型の日用品「トップバリュ 共環宣言」、フローズンとチルドの総菜類「トップバリュ レディミール」、低カロリーや減塩など健康志向の商品「トップバリュ ヘルシーアイ」、そしてトップバリュの廉価版で価格を抑えた「ベストプライス」と、バリエーションは豊富だ。
091119_pb_02.jpg 中でも、ベストプライスは昨年の経済危機以降、お客の節約ムードの中で売上げを伸ばしており、09年2月からは「がんばろう日本!とびきり価格」に名称を変更された。
 同7月にはトップバリュからサントリーHDと共同開発した第3のビール「麦の薫り」が発売された。これは1缶100円という安さ、味の良さが影響し売り切れが続出。取り扱い店舗では、次回の入荷予定すら立っていないが、他のベストプライスについてはグループ入りしたダイエーの店舗でも展開されるなど、概ね売上げは好調のようだ。
 ただ、売れてもフォローできないところは、PBが持つ構造的な問題も露呈した。

(つづく)

【剱 英雄】


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