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積水・大和特集

セキスイWATCHING(8)~エコ政策(2)
積水・大和特集
2010年2月16日 08:00

 予算審議中ながら、4月より省エネ住宅やリフォームに対して、エコポイントが付与される予定である。これが決定すれば住宅需要の刺激の一因ともなり、ひいては裾野の広い需要が喚起されて、景気の刺激策になると期待されている。家電のように、住宅投資が増えることを期待したいものである。

 積水ハウスも、環境保護活動についての取り組みが環境省から評価され、業界で初めて「エコファースト企業」として認定されたことは前述の通りである。しかも、「グリーンファースト」という登録商標を取得し、太陽光発電を搭載した環境配慮型賃貸住宅を発売、エコ企業としてのイメージアップを図っている。しかしながら、住宅会社各社も同様な取り組みを行なっている。たとえば、最大のライバルである大和ハウスは、経産省エネルギー長官賞「省エネ大賞」を受賞している。また、環境共生住宅制度による平成20年度の建設実績第1位にもなっている。

 しかしながら、各社がそのようなエコ活動を行なってはいるものの、住宅業界には、たとえば車でいう従来車と販売価格の変わらないハイブリッド車に代表されるような、画期的な技術の革新は行なわれていない。時代の流れに沿って、エコ対策に熱心な企業であるというアピールをしているに過ぎない。住宅を建てるユーザーにとっては、コストメリットもあまりない。

 自動車業界では、ハイブリッド車からさらにクリーンな電気自動車へと、開発が進んでいる途中である。燃料電池の蓄電能力の問題点やコストの高さを克服できれば、爆発的な普及が始まるとも言われている。住宅業界でもそれと同様に、夜間の安い電力を蓄電し、昼間の太陽光発電の電力をも蓄電ができる、太陽光発電システムとリチウム燃料電池を低コストで供給することができるようになれば、一気に省エネでクリーンな、エコ住宅の出現となるだろう。

 これからは各社とも、技術の開発にしのぎを削ることになるだろう。この技術革新を初めに行なった企業が、真の勝ち組として業界に君臨できるのではないだろうか。

 国も企業も、技術革新に乗り遅れればかつての栄光は衰退してしまうことを、歴史は証明している。

(つづく)

【野口 孫子】

※この連載は積水ハウスに対してエールを送るものであり、誹謗中傷を目的とするものではありません。

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