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画期的な高島市長の『決断』~福岡市・行政改革の実態(16)
行政
2011年2月 1日 07:00

 福岡市の情報公開制度について、長々と書いてまいりましたが、もう少しだけ「情報公開」についてお話させていただきます。情報公開制度は、行政改革においても、成熟社会の行政運営においても、欠かすことのできない重要な制度ですので、ぜひ、お付き合いいただけると幸いです。
 とくに行政改革においては、そのプロセス(過程)を市民に公開していくことが重要です。なぜならそれは、何度も繰り返しますが、透明化することにより、内容の公正性を担保できるということだけでなく、改革の対象となっている事柄についての「現状」や「課題」を、市民と共有でき、共感と理解を得ることが可能となるからです。

第1回こども病院移転計画調査委員会 高島市長は、昨年11月の市長選挙の公約であった「こども病院移転問題の再検証」を実施するために、今月『こども病院移転計画調査委員会』を設置しました。
 私は、今回のこども病院の再検証については、1月6日付けのデータ・マックス社の「I・B」(2011年1月6日No.1598号)の誌面において、調査委員会のメンバーについては、(1)「偏らない専門家の任命」、(2)「委員の市民公募」を、調査検証過程の情報公開については、(3)「ホームページなどでリアルタイムに公開すること」、調査委員会の委員となる専門家の関わり方については、(4)「調査検証に実際にしっかりと関わっていただくこと」などを提言させていただいておりました。しかし、提言させていただいたものの、そこまで徹底した情報公開を実施し、公正性と客観性の高い開かれた進め方を実現することは困難だろうと思っておりました。市役所内部の抵抗が予想されたからです。

 ところがフタを開けてみると、高島市長は、調査委員会の委員長には、この連載でも何度かご紹介している三重県で先進的な県政改革を実施した北川正恭早稲田大学大学院教授(元三重県知事)を招聘するとともに、委員の市民公募を行ない、こども病院移転反対の市民の方も委員として任命。さらには調査委員会の議論をインターネット上でリアルタイム放映するという、非常に透明性が高く、公正性と客観性を担保した運営方針を発表されました。大変画期的なことだと思います。高島市長のトップとしての「決意と覚悟」に大いなるエールをおくらせていただきます。

 あと重要なポイントは、調査委員の実際の調査検証への関わり方です。可能な限り、行政サイドが加工した情報ではなくて、第1次情報に、つまり生の情報に、触れていただくことが重要だと思います。そうすることによって、意図的な誘導などの疑念を払拭でき、真に市民の信頼と納得を引き出すことが出来ると思います。ぜひ、頑張っていただきたいと思います。

(つづく)
【寺島 浩幸】

≪ 第15回「公務員のための情報公開」 | 

<プロフィール>
寺島浩幸氏寺島 浩幸 (てらしま ひろゆき)
福岡県立修猷館高校、福岡大学法学部法律学科を卒業。1987年に福岡市役所入庁後、総務局法制課、人事委員会任用課、情報公開室係長、市長室経営補佐係長、議会事務局法制係長などを歴任し、2010年8月退職。在職中、主に法律関係の職務に従事するとともに、市長直属の特命業務や議員提案条例の支援を担当するなど、市長部局と議会事務局の双方の中枢業務を経験。
 現在は、行政書士事務所を開業して市民の身近な問題の解決をサポートするとともに、地域主権の要となる地方議会の機能強化を目指し、議員提案条例アドバイザーとしても活動中。

<主な実績>
・日本初の協定方式による第3セクターの情報公開制度の条例化
・日本初のPFI事業(タラソ福岡)の破綻再生
・日本初の「移動権(交通権)」の理念に立脚した議員提案条例の制定支援

▼関連リンク
寺島氏ブログ
・ツイッターは、コチラ


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