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PFIはコスト削減の魔法の杖?(1)~福岡市・行政改革の実態(26)
行政
2011年2月15日 08:30

 今回から数回に分けて、「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」について、お話しいたします。
 PFIとは、民間事業者の資金調達能力、技術的能力、経営能力など多様なノウハウを活用し、公共施設などの建設、維持管理、運営等を包括的に民間事業者に委ね、一般的に10年以上の長期契約において発生するリスクを官民で適切に分担し、良質で低廉な公共サービスの提供を実現する官(行政)と民の新たなパートナーシップの構築を前提とした手法です。
 民間事業者の資金調達能力や技術的能力などを活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供することをねらいとしています。

 現在、アイランドシティ(人工島)への移転問題を再検証している「新こども病院」の建築手法として採用される予定です。
 PFIの種類としては、大きく分けて、BOT(Built Operate Transfer)型とBTO(Built Transfer Operate)型があります。
現在のこども病院 BOT型は、民間事業者が、独自に資金を調達して、施設の設計・施工を行ない、当該施設を一体的に所有し、維持管理及び運営(サービスの提供)を行ないます。そして、サービスの対価としての国や自治体からの支払や利用者からの料金収入により、利益を含めて投下資本を回収して、一定の事業期間終了後、サービス提供に必要となるすべての施設・資産を、国や自治体に譲渡するタイプです。
 一方BTO型は、民間事業者が独自に資金を調達し、施設の設計・施工を行ない、サービス提供に必要な施設を完成させるところまではBOTと同じですが、施設完成後ただちに国や自治体に施設の所有権を移転して、国や自治体は当該施設を一体的に所有します。ただし、当該施設の管理・運営は民間事業者が行ない、国や自治体からのサービスの対価の支払やサービス利用者からの直接的あるいは間接的な支払によって、一定の期間内に利益を含む投資回収を行なうタイプをいいます。

 いずれにしても、PFIは、民間事業者が経営ノウハウを発揮できる「収益活動」が可能な部分が十分でないと、自治体としては大きなコストダウンは期待できないといえます。

(つづく)
【寺島 浩幸】

≪ 第25回「第三セクターが抱える問題(4)」 | 

<プロフィール>
寺島浩幸氏寺島 浩幸 (てらしま ひろゆき)
福岡県立修猷館高校、福岡大学法学部法律学科を卒業。1987年に福岡市役所入庁後、総務局法制課、人事委員会任用課、情報公開室係長、市長室経営補佐係長、議会事務局法制係長などを歴任し、2010年8月退職。在職中、主に法律関係の職務に従事するとともに、市長直属の特命業務や議員提案条例の支援を担当するなど、市長部局と議会事務局の双方の中枢業務を経験。
 現在は、行政書士事務所を開業して市民の身近な問題の解決をサポートするとともに、地域主権の要となる地方議会の機能強化を目指し、議員提案条例アドバイザーとしても活動中。

<主な実績>
・日本初の協定方式による第3セクターの情報公開制度の条例化
・日本初のPFI事業(タラソ福岡)の破綻再生
・日本初の「移動権(交通権)」の理念に立脚した議員提案条例の制定支援

▼関連リンク
寺島氏ブログ
・ツイッターは、コチラ


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