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2011統一地方選挙

福岡市議選 『逆風』と『無風』(前)~激戦区を勝ち抜いた新人たち
2011統一地方選挙
2011年4月11日 14:59

 10日投開票が行なわれた福岡市議選は、民主党の支持率低下という『逆風』の影響が早くから言われていた。実際に民主党は、現職10名のうち3名が落選。新たに擁立した7名の公認・推薦の新人候補のうち6名が落選。選挙前の議席は10から8へ。当選した現職候補者も前回(2007年)の得票数を大幅に落とし、辛くも生き残った感じだ。

調崇史氏 一方、民主党以外の候補者へ影響を与えた外的要因もある。東日本大震災の発生に伴う自粛ムードが投票率の低下を招いた。そのうえ、5政党相乗りの候補と共産党推薦候補の一騎打ちで低調ムードに陥った福岡県知事選は過去最低の投票率41.52%を記録。
 同知事選の影響もあり、福岡市議選の投票率は戦後最低の42.96%となった。浮動票が少ない『無風』と言える今回、地盤がなく知名度の低い新人候補者にとっては厳しい状況となった。
 そのようななか定数6に12名が立候補し、激戦を繰り広げた城南区で、民主党と自民党の新人が1名ずつ勝ち抜いた。民主党は、元民放記者・調崇史氏(32)。自民党は、元市収入役の北嶋雄二郎氏(61)である。

<天気でたとえるなら『土砂降り』>
 開票が始まった午後8時過ぎ、城南区七隈にある調氏の事務所には支持者たちが集まり、落ち着かない様子で設置されたテレビの開票速報を見ていた。午後11時30分頃、調氏の「当選確実」を告げる開票所からの一本の電話で事務所内は沸いた。午前0時前、調氏が事務所に到着。支持者は、盛大な拍手と歓声で同氏を迎え入れ、事務所内のボルテージは最高潮となった。

 調氏は支持者に対し、「民主党への逆風のなかで不安と戦ってきました。平坦な道のりではなく、天気で例えるなら『土砂降り』。しかし今回、当選させて頂いたのは、私に『やれ。調やれ!』ということだと思っています。これまで支えてくれた皆様には、言葉では言い表せないほど感謝しています」と、謝意を示した。
 また、市議になる意気込みについて「私は一番働きますと有権者の皆さんに訴えてきました。これからは若者が、若い力で議会改革をしなければならない。5月から任期が始まります。最初から全力疾走で走っていけるように頑張っていきたい」と語った。
民主党への逆風にさらされた調氏は取材に対し、「民主党支持者のなかにも『今回は投票しない』という有権者もいた」という、苦しい状況を語った。

 調氏の陣営には、学生など、若者のボランティアスタッフが多く、自転車部隊を編成して街宣活動を行ない、自ら先頭を走り、ヘッドセットマイクで政策を訴えるなど、若さを前面に出した活動を行なっていた。今回当選した、同区のベテラン市議からも「調氏の当選は固い」といった分析が出るなど、支持を着実に伸ばしていた。

(つづく)

【特別取材班】

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