ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

オリンパス「監理銘柄」に~問われるあずさ監査法人の責任
特別取材
2011年11月11日 15:01

高山修一社長.jpg 日本の4大監査法人の一角を占めるあずさ監査法人は、オリンパス(株)の2009年3月期まで、監査を15年以上担当。オリンパスは、今回事件の発端となったジャイラスなどの買収にともなうM&Aの問題点の指摘を受け、新日本監査法人に変更している。
 財務諸表の作成責任は企業、その適正性に関する責任が監査法人になったのは、ここ4~5年前からであり、それ以前は、監査法人に責任がある。

 オリンパスが、証券投資の損失を隠蔽するために「飛ばし」を始めた2000年前後の監査法人はあずさ監査法人である。
「飛ばし」を始めて9年近くオリンパスの監査をしているにもかかわらず、それを見抜けなかったあずさ監査法人の懈怠責任は重大である。その上に「飛ばし」を認識していながら指摘をしなかった行為、「飛ばし」を示唆する行為、があったかどうかについて、金融当局はすでに事情聴取や聞き取り調査に向けた準備を進めていると言われている。

 04年3月、経営悪化から産業再生機構に支援を要請したカネボウが、その後の内部調査で巨額の粉飾決算をしていたことが判明。旧経営陣3人と、粉飾決算を示唆したとされる中央青山監査法人(東京都)の公認会計士4人が、証券取引法違反の疑いで逮捕されている。
 一方、あずさ監査法人は、2007年4月に破綻した英会話学校NOVA(当時ジャスダック市場上場)の2007年3月決算で、受講料を巡る係争事件を「企業の存続に重大な影響を与えるリスク」として開示していなかったことについて、不適切な情報開示として公認会計士協会の調査を受けている。

 監査法人の選任は取締役会の決議事項となっており、監査の報酬をもらう相手(取締役会)を厳しく追及するのは難しい面があると言われるが、一般投資家にとって投資判断できるのは監査法人の監査が適正に行なわれていることが前提である。
 ある関係者の話によると、あずさ監査法人は、問題を抱えているクライアントに対して報酬料の引き上げを求めたり、あるいは報酬料の大幅な引き上げ要求して企業に監査法人の変更を迫るような行為も見られたという。

 あずさ監査法人は、今回の問題の発端となったオリンパスの「飛ばし」を見抜くことができず、M&Aの問題点を指摘することにより、担当を降りて新日本監査法人にその責任を「飛ばし」たのでは、とも言われている。
 いずれ捜査が開始され真実が明らかになる。オリンパスの今後の行方とともに、あずさ監査法人も、提携していたアーサー・アンダーセン(エンロン事件で解散)と同様の運命を辿ることになるかもしれない。

【北山 譲】

▼関連リンク
・ご意見「オリンパス『監理銘柄』に~問われるあずさ監査法人の責任」に関して



*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

特別取材一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル