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"悠香問題"から見えた広告代理店業界のウラ(前)~平成電電と近未來通信事件
特別取材
2011年11月14日 14:18

 "悠香問題"がクローズアップされるなか、広告代理店および媒体社(新聞社やテレビ局など)に対しても、その責任を追求する声が上がっている。しかし、当の広告代理店業界は、食品の成分や副作用までは関知できないと言わんばかりに、"我関せず"の姿勢を取っている。広告代理店が取り扱う多くの企業のなかには、いわゆる問題企業もある。そして、それらの企業に対しては、今回の悠香の件と同じような姿勢を貫いている。本当にそれで良いのか―。この問題を検証した。

<平成電電と近未來通信事件>
 過去に、広告代理店および媒体社の責任を問う声が上がった例では、2005年10月に経営破綻した平成電電(株)と、06年12月に債権者より破産を申し立てられた(株)近未來通信の2社が記憶に新しい。どちらも、知名度の高い芸能人をイメージキャラクターに起用し、派手にテレビCMを行なっていた。また、加入者(利用者)ではなく、出資者を狙った詐欺事件という指摘もあり、ともに破綻後、「被害者の会」が発足している。

 「日本のビジネスを強くします。CHOKKA!(直加入電話)」というフレーズで話題になった平成電電は、福岡市で創業後、本社を東京都渋谷区に移した。02年6月からADSLモデムオーナーを募り、実質年利回り26.4%という高い利回りで注目された。03年10月からは、「平成電話パートナーシステム」と銘打って同じく高い利回りを謳い、1口1,000万円で資金を集めた。資金総額は約15億円。この募集の際、「倒産した場合には資金は一切返済されない」という主旨が注記されていたため、出資者の大半は全額が焦げ付くという憂き目にあった。その後、同年11月より、人気俳優の高橋克典さんを起用し、テレビCMを放映。もともと資金繰りの悪い状況で上記のような出資話をもちかけ、約1万9,000人の投資家から約490億円もの資金をかき集めた。

 近未來通信は、元読売巨人軍投手の宮本和知さんと女優のとよた真帆さんの2人が夫婦役を演じるCMを日曜日の朝などに全国版の情報番組などで放映した。固定電話よりも通話料の安いIP電話をPRし、国内外に独自の中継局を設置。他社の電話網と繋いで、格安料金で通話サービスを受けられるというものだった。アパートやマンションなどの1室に設ける中継局の通信用サーバーの設置費用を出資したオーナーには、IP電話の利用者から徴収した電話料から配当を払い、「2~3年で回収が可能」などと謳いながら加盟金などを含めて1件あたり約1,100万円以上を徴収していたという。最終的に配当はきちんとなされず、国内外に設置している2,466台中、稼働しているのはわずかに7台、配当の原資となるIP電話の加入者は587人という有様だった。

【矢野 寛之】

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