北九州市若松区ひびきのにある北九州学術研究都市に事業化支援センターという施設がある。ここは、大学発のベンチャービジネスや創業を支援するとともに、半導体設計企業進出の活性化による研究室ニーズや、バイオ・ロボット関連などの新たな研究開発にも対応できる施設として注目を集めている。今回、同センターに居を構える、博通テクノロジー社の調光制御システム「ライティングオーケストラ」について、同社代表取締役の平井克己氏に話を聞いた。後編。
――導入にはどのような設備が必要でしょうか。
平井 「ライティングオーケストラ」がすでに導入されていれば、あとはユニット本体とセンサーだけ追加すれば利用することができます。現在は節電が注目されていて、ビル単位での節電の取り組みとしてスマートビルなどの社会的な要求があります。「ライティングオーケストラAUTO-CONDUCT」はLANに接続できるので、使用している電力のレポートやピークカットの指示などにも対応することが可能です。ビル全体がスマートビルではなくても、フロア単位でスマート化することができるのです。もちろん、一番良いのはビル全体で導入していただくことです。簡単にスマート化することができますし、節電効果は間違いありません。そういうわけで、ビルの不動産会社さんやプロパティマネージメントをされているような会社さんから問い合わせがあります。
――省エネするうえで重要なことは何でしょうか。
平井 まずは理解を深めていただきたいです。たとえば、LEDというものは、決して一番効率の良い照明器具ではありません。もちろん、悪くはありませんが。白熱電球をLEDに取り替えれば確かに節電効果があると思いますが、蛍光灯からLEDに替えただけでは大した省エネにはなりません。蛍光灯もかなり効率が良い照明なのです。新品のLEDは明るすぎるものですが、それがだんだん劣化して暗くなっていき、人の目に調度良いくらいの明るさになります。そこで、最初から適切な明るさに調光して節電することが重要です。それで初めて節電になる。LEDに取り替えたから即節電になるというのは大きな誤解です。
――ところで、3.11以前と現在で大きく変わったことはありますか。
平井 3.11より前の3年前から助成金を貰って研究を始めていました。3.11以前はCO2削減というのがエコの大きな指標でしたが、現在は省エネ・創エネです。そして、実用化を強く求められるようになったというのが大きく変わった点だと思います。最初は、人工知能の「ライティングオーケストラAUTO-CONDUCT」のみを開発していましたが、それでは商品化に時間がかかるので、半自動のものを先に商品化したというわけです。これだけでも十分に節電効果が期待できますし、3.11で節電への意識が高まった今、ちょっとスイッチを押すくらいの手間は掛けてもらえるのではと思っています。
――苦労している点などはありますか。
平井 現在は、私を含めて4人で研究しています。これは商品ですから、プロダクトデザインなども大切ですよね。機能だけ追求してもいけませんし、顧客のニーズになるべく応えたいですが、そればかりではいつまでたっても商品スペックが決まりません。このあたりの調整が難しいと感じています。それに、設備投資が必要な商品ですから、上手なビジネススキームを構築できれば普及拡大に繋がると考えています。
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<COMPANY INFORMATION>
■博通テクノロジー株式会社
所在地:北九州市若松区ひびきの1-8
北九州学術研究都市事業化支援センター508
TEL:093-695-3484
URL:http://www.hakutsu-tech.co.jp
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