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麻生ラファージュセメント出資比率減少から見る、セメント・生コン業界の今後(1)
清明がほえる
2012年3月27日 16:09

 「2、3年先の短期的観測で見ると、セメント業界は東日本大震災復興の特別需要が見込める。だが、中長期的なスパンでは、需要はジリ貧で、非常にタイトな市況」と語るのは、業界関係者。

 NetIB NEWSにて既報している通り、麻生ラファージュセメント(株)(本社:福岡市早良区、以下麻生ラ社)は、フランスが本社の建材業界トップクラスのラファージュ社(以下、ラ社)からの出資比率が、約39%から5%に減少する。この3月末に、麻生グループを統括する(株)麻生がラ社保有の株式を買い取り、ラ社の負債圧縮に充てるほか、一部は新興国での事業へ投資するという。

 麻生ラ社の歴史は、戦前までさかのぼる。同社は、1934年3月に操業を開始した産業セメント鉄道田川工場がルーツ。幾度の社名変更や合併を経て、2001年9月にラ社が資本参入し、04年9月に現社名にとなって現在に至っている。ルーツとなる田川と苅田に生産拠点を有する、老舗のセメントメーカーとして著名である。
 我が国セメント業界における麻生ラ社の製造能力は224万tで、シェアにして4%を占める(セメント業界発表分。2011年4月1日現在)。
 なお、その他の主な各社メーカーの数値(同)は別表の通りである。

主な各社メーカーの数値

 各社の生産高は、当然ながら毎期異なる。そのため、シェアには差異が生じるが、ほぼ別表の数値でジャッジができる。
 太平洋、三菱マテリアル、住友大阪、宇部興産、トクヤマ、そして麻生ラ社と続く。麻生ラ社の営業網は、福岡以外にも鹿児島、広島、高松、大阪、東京に拠点を有しているものの、太平洋、三菱マテリアル、住友大阪などとの差は大きい。ただ、業界では大手3社が過半数のシェアを占めるなか、前身の麻生セメント社の後ろ盾としてのフランス・ラ社も存在は大きく、存在感を示すことができたのは言うまでもない。

 なお、我が国セメント生産量は、1996年度に9,926万7,000tとピークを迎えている。以降は減少傾向をたどり、10年度の生産量は5,605万t(前年比96.0%)と、ピーク時と比較して56%にまで減少。経営合理化の一環における太平洋セメントの製造工場数の縮小などは記憶に新しい。
 現況では、業界がダウントレンドであることは明白である。なぜなら、セメント業界の販売先の70%超が生コンクリート工場であるが、その生コン業界は10年度の出荷量が8,527万8,000m2と、ピークであった90年度に比べて43.1%にまで減少してしまっているからだ。
 生コン業界の斜陽とともに、セメント業界の生産高が減少していったのである。

(つづく)
 
【河原 清明】
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