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不祥事の根源の解析と職員のメンタル面の対応が急務(前)
行政
2012年6月16日 07:00

 福岡市職員の不祥事は尽きることがなく、市民には不信感とあきらめ感が漂っているようだ。市職員の奥底にあるトラブルの原因は、何だろうか。多発する不祥事の原因は、さまざまな要因と環境が複雑に絡み合い、形成されているのではなかろうか。たしかに、複雑に絡まった糸をほぐすのは容易ではないだろう。このままでは、何ら変わることがない。改めてこれらを検証し、不祥事に関する問題点を探ってみる。

<原因は何か解決策はあるのか>
_fukuoka_2.jpg 福岡市役所の一連の不祥事は、市民の命や健康、あるいは財産を預かる公務員としての「使命感の欠如」に尽きる。不祥事を起こした職員の年代は50歳代から20歳代までと幅があり、年代による要因ではない。つまり、そもそも市職員が仕事に対して「使命感」「やりがい」を持ち難い要因があると推測できる。そして、ここまで不祥事が続発している現状を見れば、早急に組織的な対応が求められている。市役所幹部は、対応を急がなくてはならない。

 考えられる対応策としては、「禁酒令」のようなものでは当然ながらどうにもならないし、従来のような「綱紀粛正」の研修や通知などの注意喚起程度のものでは話にならない。さらには、用地買収、生活保護業務、保険年金業務など、不祥事が起こった分野の業務プロセスにおけるチェック体制の強化などは最低限必要ではあるが、それだけでは大きな効果は期待できないであろう。

 なぜなら、前述したように不祥事の背景には、仕事に対して「使命感」「やりがい」を持てない、職員の「精神面」や「心」にこそ問題があるのでは、と考えるからである。

<ライフプランなどのサポートの導入>
 民間企業でも大きな組織に所属していれば、組織内部でのさまざまな矛盾や葛藤に直面し、仕事に対する「使命感」や「やりがい」をなくすような出来事は当然あり得る。そして、企業側もそのような社員の精神面に対応するために、研修を行なうなどさまざま対策を講じているのである。
 福岡市役所においては、そのような職員の精神面に対する対応が足りないのではないかと思われる。仕事への「使命感」や「やりがい」をいかに醸成するかということを追求していくと、職員1人ひとりのライフプランやキャリアプランに行きついていく。つまり、1人の人間として、自己の人生を充実させていくために、どのように自分と向き合っていくのか。自分の得手・不得手や強み・弱みは何か。自分の人生目標や特性を踏まえて、どのような仕事を選択するのか―そのような職員1人ひとりの根本的な問題について、サポートしていくことが必要ではないだろうか。まずは、係長、課長、部長への昇任時など、節目節目の研修において、ライフプランやキャリアプランのサポートを導入してはいかがだろう。

 このように、ライフプランやキャリアプランのサポートを導入することによって、市役所の職場の雰囲気も良くなり、市民への行政サービスも向上するのではないかと思う。たとえば、現状では市職員という職業が本当は自分の適性に合っていないのにも関わらず、ただ「安定しているから」といって、不平や不満を抱えたまま、公務員の身分にしがみついている職員が少なからず存在しているのではないだろうか。仕事に積極的にはならず、できるだけ面倒なことに巻き込まれないように、ただただじっとして、3~4年すれば次の職場へ移動できる―。そのようなメンタリティーの職員が、少なくないのではないのか。

(つづく)
【道山 憲一】

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