あるマンション会社の20周年記念行事における席上での話――。
九電関係者の出席がないことに気づいた。対して西部ガスのほうは社長を含めて3名が出席していた。来賓あいさつも西部ガスの社長が行なった。この席上で直感したことは「電力会社のオール電化が敗北し、ガス活用が圧倒的に支持を受けているな」ということだ。
これまで度々レポートしてきたが、オール電化に押されていた西部ガス側は戸建宅地の開発にも開発事業資金を出資してきた。そのうえで住宅業者に【ガス仕様】の要請をしたのだが、結果、40%程度の説得ができなかった。一時は西部ガスを含めた全国の都市ガス大手の経営陣は【オール電化へ全面的屈服】という諦観を抱いていた。
ところが【3.11、東日本大震災】以降、形勢が逆転した。取材を始めると、まず【オール電化】を推進してきたハウスメーカーも【都市ガス推進派】に転じていた。パーティを開催した会社にもコメントを求めたところ、「もう100%ガス仕様です」という。建設業者・設備業者などにも取材すると「昨年の5月からすべてオールガス化です」との返事だ。「なるほど、西部ガスの勢いがあるのはそういうことか!!」と頷けた。九電だけでなく全国の九電力会社にとって「一般住宅市場でのシェアを減らす」ことは致命的なことなのである。
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