<電力のシステムをどう改善していくのか>
7月16日、「さようなら原発10万人集会」を呼び掛けた音楽家の坂本龍一氏が、「たかが電気」と表現したことで物議を醸した。命よりは軽いだろうが、しかし、国民生活には必要不可欠な電気。毎週金曜日に首相官邸前で行なわれている脱原発デモや、各地で開催されている脱原発のイベントに参加する市民も増えている。今、国民的な議論の場に上がっている電力は、今後、どのような方向に向かうのか。
盛んに「脱原発」が叫ばれているものの、脱原発を成し遂げた後は、どのようなかたちになるのか。明確には見えない。民意が、脱原発を成し遂げる方向で動くのであれば、原発の代替になるほかのエネルギー源を探し、発電、送配電のシステムをどのように改善していくのか、同時に議論しなければならない。
<事故調報告でも未解明部分多く...>
7月23日、東京電力、政府と国会、民間の福島原発事故を調べる4つの事故調査委員会の調査報告がそろった。そこでは、防止策、危機管理の甘さや事故後の対処、対応の遅さなどが指摘された。なお、詳細な調査が行なわれたものの、原子炉建屋内部は、放射線量が高く、実際に立ち入っての調査を実施することは不可能だった。事故後、1年4カ月以上が過ぎた現在も未解明の部分が残り、ほかの原発についても、耐震性などの評価を改めて見直す必要がある。
東日本大震災の地震、津波の規模が、想像をはるかに超える大きさだったとはいえ、日本が国策をかけてきた原子力発電所は、天災に耐えることができなかった。つまりは、「原子力を制御できなかった」ということだ。人間が住める場所、生活できる場所を、国家の財産だとすれば、多大な国家の財産を、原子力を制御できなかったがために失ったということになる。
脱原発一辺倒ではなく、具体的に縮原発をどのように遂行するかなど、電力のあり方について真剣に議論する時機がすでに来ている。
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