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脱原発・新エネルギー

電力どこへ行く?~原子力発電比率縮小、その先へ(3)
脱原発・新エネルギー
2012年8月 2日 07:00

<独占状態を崩す発送電分離>
 いち早くその是非を議論し、着手すべきことに、「発送電分離」がある。欧米では、発送電分離が進んでおり、発電と小売の自由競争が起きている。どこの発電会社のものを買うか、消費者は選択できる。

 これまで、日本の大手電力会社は、地域での独占という既得権益を守ってきた。送配電のインフラの使用権を握っていることで、電力を売る権限を独占。発電事業者が市場で平等に競争することはなかった。発電部門と送電部門を分離させることで、自由な競争が生まれ、あるべき方向へと向かう。

 発送電分離には、電力各社で構成している電気事業連合会も、長らく電力の安定供給を損なうとして反対していたが、ようやく容認。発送電分離が進めば、自然エネルギーの発電会社なども平等に送電網を使えるようになる。太陽光発電、風力などでの発電も、電力の小売に参入しやすいため、新しいビジネスも生まれる。

sora_8.jpg 電力の小売りが自由化されたとしても、発送電分離がされなければ、送電部門の権利を既存の電力会社が握っていることで、ほかの発電会社が送電をするときのコストを釣り上げたり、契約の条件を厳しくしたりするなど、ライバル他社の参入に対して、障壁を設けることができる。結局、消費者にとってのメリットがない。送電の際の技術的なトラブルが起こった場合にどう対処するのかなど乗り越えなければならない課題は多いが、発電会社と送配電会社が、別会社であれば、より適切な形で競争が行なわれ、サービスの向上、価格低下も期待できる。

 新規の発電会社もこれまでより容易に参入でき、風力、太陽光などの再生可能エネルギーへの投資も思い切ってできるようになる。その分野での技術革新が進み、需要が増えれば、価格も下げられる。

 経産省の電力システム改革専門委員会では、大手電力会社の独占状態を崩す「発送電分離」を明記した基本方針をまとめた。基本方針の中では、「大規模」と「分散型」のバランスを取っていくこと。市場競争のできるシステムを作っていくことが、国家と地域、企業の挑戦だとしている。経産省は、方針をさらに練り直し、2013年の通常国会に法案を提出する予定。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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