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水郷柳川・行政・市民一体となった復興を目指して(3)~【特別対談】椛島徳博福岡県議×金子健次柳川市長
行政
2012年8月13日 07:00

 ――経済的な対策が復旧には不可欠なわけですが、国や県に対して要望されたいことをお話しいただければと思います。

 金子市長 住家などの浸水被害については、ボランティアの応援などにより、一定のメドが付いてきました。今後、さまざまな支援を受けるために必要な罹災証明を出すための家屋調査を急ぎ、被災者の生活の復興を支援していきたいと思います。やはり堤防の補強、強固なものについて、スムーズに進めていただきたいと思います。

 また、復旧のための農地や漁業関係―最も早くやらなければならないのが、有明海の漂流物の回収です。というのも、海苔はちょっとしたゴミや漂流物でも命取りになります。漁協でもやっていますが、国や県でも早急にやっていただきたいと思います。漂流物は、有明海沿岸の長崎県や熊本県、福岡県、佐賀県の4県を行ったり来たりですから、国レベルでやらなければなりません。海岸に漂着した分は県でやると思いますが、漂流物の回収を8月いっぱいでお願いしたいと考えております。

 農業関係では、水稲2,100ha、大豆は1,200haに泥水が被り播種ができない状況で、5億7,000万円の被害が見込まれています。野菜・果樹で7,500万円、ハウス倒壊で2億円、がれきや土砂に覆われた農地の復旧に3億円など、合計で11億6,000万円の被害が出ています。漁業関係では、日本一の生産を誇る海苔の加工場の浸水が50棟、海苔乾燥機械が水没し損壊するなどの被害額が4億円。漁船流出、破損が61隻。浮桟橋、ホイストクレーンの損壊で漁港施設の機能が失われるなど、合計で約5億5,000万円の被害が出ました。

 今回、激甚災害について通知が出ておりますが、それについて査定前着工をしたいと県や九州農政局に申し入れしたいと考えております。柳川だけではなく、被害を受けた地域は連絡・連携を取り合いながら、国に働きかけをしていきたいと思います。7月25日には、国土交通省の水管理・国土保全局海岸室の企画専門官に現地に来ていただき、海苔の時期に間に合うよう早急な対策を要請しています。また、昨日も日帰りで、農林水産省を訪問し、災害支援室にご相談を持っていきました。

 ――市長のお話をお聞きされて、県議会議員としてどのように受け止められたでしょうか。

kabazima2.jpg 椛島県議 先日も農林水産委員会で視察をさせていただきましたが、視察に先立ちまして、農林水産委員会でもいろいろな議論がありました。農業と漁業の被害が非常に深刻で、日常を取り戻すために早急な対応が必要だと思っております。農地の復旧や、もちろん施設もそうですし、営農意欲がなくなるとのお話もありました。有明海においては周辺の漂着がれき、有明海の中の流木など、回収を早急にやっていただきたいと市長の方からもお話がありましたが、農業・漁業の世界においては今期の量に直結しますので、それは喫緊の課題だと思っております。それで県としましても、さまざまな意見、要望、ご指摘、ご批判など、たしかにあります。

 一方では、災害が発生する前から対策本部を設置していただいて、ほんとうに大変な対応だったと思います。最善を尽くして、残念ながらこういう結果が出てしまった。それまでの間の行政の皆さん方のご尽力はすばらしかったなと、農林水産委員会でも県の職員さんについて話しました。また、ある程度落ち着いてくると、いよいよ日常を取り戻そうということと、組合長さんがおっしゃっていましたが将来への不安、一応カタは付いたけれどもこれからどうするか――。営農意欲や就業意欲をもらえるような希望を、政策のなかでも打ち出していただきたいとのお話をいただきました。すぐやるべきこと、中期的にやるべきこと、どこがそれをやるべきかということを整理しながら、県としての力を、全力尽くしていきたいと思っております。

(つづく)
【文・構成:近藤 将勝】

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