21日、民主党代表選が行なわれ、無効票が3,175票、投票率も過去最低の33.7％のなかで野田現首相が大差で再選された。そして、早くも党運営の要である幹事長に輿石東氏の続投が決まった。つまり、何も変わらないのである。
　しかし、それは民主党という井戸のなかの話であり、国民の大意とはまったく関係はない。まさに「井のなかの"ドジョウ"、大海を知らず」そのものである。野田現首相再選は民主党の『終わりの始まり』と言える。
　記者はちょうど投票の前日にあたる20日に、今回党首選で第２位につけた原口一博元総務相の選挙参謀であり、論客として知られる川内博史議員にインタビューをした。

＜「友愛」「社会的公正」「正義」＞
　――川内議員は、次の総選挙では、民主党では戦わないと言われておりますが・・・。

　川内議員（以下、川内）　まず、野田首相が代表として再選されて現在の政策や、党運営が変わらず、このまま続くのであればそのもとで、総選挙を戦うことはできないと考えています。そこで、現在はこの民主党代表選挙で原口先生を必死で応援しているのです。従って、野田首相の勝ち負けではなく、あくまでも政策や党運営の在り方が基本です。好き嫌いの話では　ありません　。

　きのう、エネルギー政策は曖昧のままで閣議決定されました。大飯原発もまったく論理的根拠もなく、再稼働が決定しました。「社会保障と税の一体改革」が「公共事業と税の一体改革」になってしまいました。野田首相の改革、言動は旧勢力によってねじ曲げられてしまっているのです。これでは、旗を立てて戦うことはできません。仮に、野田首相が再選された場合は、次の政策、党運営を見定めた上で判断したいと思っています。いずれにせよ、新自由主義的政策や理念に対峙する「友愛」「社会的公正」「正義」に軸足を置く政策を進めていくつもりです。政治というのは富の再分配をどのようにするかを考えるのが基本です。自由であれば良いのだ、強者が強者を助ければ良いのだ、弱者には強者のおこぼれがまわるという考え方では世のなかは発展しませんし、良くもなりません。

　エネルギー政策や消費税を含む税の在り方、さらにはTPP、米軍の基地問題の4つを軸にして党内で同じ考え方を持つ仲間が、この代表選を通じてできました。そこを基礎にして仲間と民主党を変える戦いを続けていかなければならないと考えています。

　――きのう、原口元総務相と一緒に沖縄に遊説されているのは何故ですか。きのうは新宿駅前で、党首選の候補者は揃って立候補演説すると聞いていましたが・・・。

　川内　遊説予定は先に入っていたものです。しかも、当日は脱法的に原子力規制委員会の委員長を任命する日でもありました。さらにオスプレイについてもごまかしとも言える会見があり、エネルギー基本計画についても曖昧なものになるとわかっていました。そのような日に、野田首相と並んで演説できない、ありえないと考えたことも事実です。

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