<お天道さまが見ている>
――国民の目には、なぜ民主党は、全候補者が横並びで演説を行なわないのかと違和感が残りましたが・・・。
川内 現在の民主党に対して国民の評価は定まっています。「ダメだ!」と。
野田首相は演説が上手く、滑舌もよく、何となく重々しく話されます。しかし、それが既得権を持つ人々によって骨抜きにされてしまうことに、国民は気づいているのではないでしょうか。原子力行政にしても、米軍再編問題にしても、政策の細部に精通していなければ、官僚に丸め込まれてしまうのです。
――日本新党~新党さきがけ~民主党と歩みを進めて来られた先生自身の今後に関してお話を聞かせて下さい。「お天道さまが見ている」という言葉がお好きと伺っていますが。
川内 日本は現在大きな曲がり角にあり、危機的状況にもあることは、国民が等しく認識を共有するところです。
東日本大震災や福島原発事故を経て、その危機意識はより強いものになってきています。もともと新自由主義的政策のなかで格差が拡大し、自殺者が増えイジメがはこびり、教育の機会均等も保証されなくなりつつあります。この状況のなかで日本は経済の成長が止まり、イノベーションも起きない国になりました。経済界では、とにかく今期の利益を出すために、弱者を搾取してでも、企業の内部留保を増やすことに専念しています。かつての経団連は見る影もありません。命より経済である。原発を動かせと経団連会長が平気で言う時代になってきているのです。そう言う状況のなかで、如何に自分は行動していくべきか。
民主党を結党以来、鹿児島という保守が圧倒的に強いと言われる地盤で、もがき苦しみ、這いつくばって頑張ってきました。民主党に愛着もあるし、愛情もあるし、未練もあります。しかし、自分にとって、政治家にとって重要なのは国民の生活、日本の国を守ることであると考えています。状況を判断、仲間と相談しながら行動していきたいと思っています。「天が見ている」というのは、鹿児島の偉人、西郷隆盛の言葉です。私心なく行動するという意味で、私が好きな言葉の1つです。
――今、毎日のように自民党、民主党の党首選が、新聞、TVなどで報じられています。しかし、「国益」とか「国民のために」と言う言葉は一切でてきません。何故でしょう。
川内 新自由主義とはむき出しの個人的利益を追求するものです。むき出しの企業の利益を実現するために、政治を利用することもあります。そこには、もともと国益も国民もありません。新自由主義は、自分の利益しか認めていないのです。マーケットにまかせればすべて上手くいく。社会的な規制、行政などなければないほどよいのだという考えです。私はこの考え方に違和感を覚えます。たとえば、会社は法的には株主のものでありますが、同時に社会的使命を持っていなければならないからです。
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