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大さんのシニア・リポート~第5回 高齢者を地域で支えるというけれど3(前)
社会
2012年10月19日 17:31

 高齢者の見守りについては、「人的な見まもり」と「ITを使った見守り」とに分けられるだろう。前者は文字通り人の目による見守りだ。「地域で支える」というなかには、地域住民で高齢者や障害者などの生活弱者を見守るという意味も込められている。しかし、地域住民だけで見守ることには限界がある。そこでITを使った見守りを併用する自治体も出てきた。ただ、「安否確認」の最後はどうしても人による確認が必要とされる。どんなにデジタル化されても、「人」というアナログが最後を締める。

sora_11.jpg 見守りの基本は隣近所だ。しかし、それが叶わない時代になってきた。集合住宅(とくに自治会のない集合住宅)では、隣に住む住人を知らない場合が少なくない。私が住む公営集合住宅の裏にあるUR(旧公団)賃貸住宅では、救急車が棟の前に到着しても、誰ひとり出てこない。人が死のうが、病気で倒れようが、「我関せず」の世界がそこにはある。
 隣近所が役に立たないのなら、警備会社の「緊急通報装置」を利用する住民もいる。私の団地に80歳を超す高齢女性がいる。ひとり暮らしの彼女は、長女からの援助(月額5千円)で警備会社の「緊急通報装置」を利用している。ペンダント型のボタンを押すと警備会社につながる。ただ到着時間に差があり、完全に満足はしていないと話す。

 安否確認の先駆的ツールは電話である。それを利用してステップアップさせたのがテレビ電話だ。とくに過疎地区では家が点在している分、隣近所同士での安否確認や見守りは不可能だ。各家庭に配られたテレビ電話を役所の関連部署に直結することで、それが容易になる。これを医療の現場と結びつけることで、居ながらにして診断も可能となる。
 山梨県早川町では、IPテレビ電話を使った住民サービスを実施。(独居)高齢者や子どものいる家庭などに導入し、役場や福祉施設などと直結させ、見守りや安否確認、健康相談などにも役立て大きな成果を上げた。岐阜県郡上市でも2006年から導入している。直接役場や医療機関に出向くことが困難な人には、心強い味方となる。ただし、設置費用の面を考えると、大きな都市では導入しにくい。

 前回紹介した埼玉県北本市の、シャープと共同開発した「見守りテレビ」のように、スイッチやチャンネルを操作したという情報(24時間テレビがつけっぱなしになっているなど)が、離れた場所にあるサーバーに送信され、安否確認ができるというシステム。このほうが一度に多くの高齢者の安否が確認ができ、利用料がテレビ電話より安価にできる。
 また、象印マホービンの「みまもりほっとライン」は、お湯を沸かす電気ポットをインターネットにつなぎ、ポットを使うと、離れて暮らす身内の携帯電話にメールで知らせる。通信機を内蔵した電気ポットを使用するので、工事不要となる。ポットはレンタル。契約基本料は1台5,250円、利用料は月額3,150円。ただし、ポットを使用しなかったことが、「事故なのか留守なのか」などの判断が難しい。身内が電話連絡しても出ない場合、逆に「心配の種」を増やす結果にもなりかねない。

 東京都水道局でも、台所やトイレ、風呂での水の使用状況で個別(戸別)に判断し、PHSで連絡を受ける「みまもりサービス」を実施している。また、NTTグループの自動検針サービス会社(NTTテレコン)では、ガスの使用量(異常な増減)をメールで報告する「あんしんテレちゃん」をスタートさせている。
 また住人の生活動作(挙動)を、リビングや寝室、トイレなどに設置した赤外線センサーで細かく分析し、感知し通知するシステム「みまもりネット」を設けた松下電工ロケーションシステムズ。ベッドの利用状況を感知して報告させる「楽匠~自立促進シリーズ」をスタートさせたパラマウントベッドなど、企業の特長を生かした高齢者への様々なサービスが用意されている。

(つづく)
【大山 眞人】

≪ (4・後) | (5・後) ≫

<プロフィール>
ooyamasi_p.jpg大山眞人(おおやま まひと)
1944年山形市生まれ。早大卒。出版社勤務ののち、ノンフィクション作家。主な著作に、『S病院老人病棟の仲間たち』『取締役宝くじ部長』(文藝春秋)『老いてこそ二人で生きたい』『夢のある「終の棲家」を作りたい』(大和書房)『退学者ゼロ高校 須郷昌徳の「これが教育たい!」』(河出書房新社)『克って勝つー田村亮子を育てた男』(自由現代社)『取締役総務部長 奈良坂龍平』(讀賣新聞社)『悪徳商法』(文春新書)『団地が死んでいく』(平凡社新書)『騙されたがる人たち』(近著・講談社)など。


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