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巨大学校法人・都築学園の迷走~気になる財務状況は?
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2013年5月17日 11:34

<パルコにビル売却>
 今年3月、福岡商業施設に大きな動きがあった。巨大学校法人・都築学園が、福岡市中央区の天神に保有していた商業ビル2棟を265億円で(株)パルコに売却したのだ。当然ながら都築学園の財務状況が注目される。かねてから財務体質が問題視されてきたが、他の学校法人と比較して検証する。

<過大な利息支出>
 学校法人の決算報告は一般企業の決算書と様式がかなり違う。そこで、一般企業の売上高に相当する金額は帰属収入を当てはめ、利益金額は当年度の帰属収入から消費支出で引いたもので算出した。(決算はすべて2012年3月で統一)

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 グループ内の4法人の売上高合計は249億8,829万円、利益合計は▲20億7,486万円という厳しい内容だ。とくに注目すべき点は、借入金等利息支出計17億2,031万円だ。仮に利息の利率を1.2%と1.8%にすると、単純計算で1.2%では約1,433億円。1.8%では約955億円の借入金になる。長年培った資産を持つ同法人といえどもこの金額は過大すぎる額である。

 では、ほかの福岡市内の学校法人はどうなのだろうか。(いずれも2012年3月で、計算方式は上述式に準じる)

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 福岡大学の借入金は93億896万円で借入金等利息支出は1億4,954万円、利率計算すると約1.6%と1.2‐1.8%の範疇である。中村学園の借入金は12億2,609万円と利率は2.2%で、しかも西南学院に至っては借入金がなく、無借金経営である。

<問われる経営指針>
 ビル保有についても疑問である。本業の学校の統廃合レベルの考えで、福岡の顔とも言えるこのビルを購入し、なんら活性化などの指針を持たなかったことは商業地に対して失礼ではなかったろうか。加えて、都築学園は相次ぐ学校・学科の統廃合とトラブルの名誉回復と厳しい状況で台所事情も大変な様子。まずは本業で復活することが必須ではなかろうか。

【道山 憲一】


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