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地方ブライダル産業の難しさ
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2013年6月11日 13:38

 経営破綻した薩摩麦酒(株)(鹿児島県霧島市)と黄金酒造(株)(同)は(既報)、焼酎製造業、ブライダル事業の譲渡を前提とし、現在も保全管理人の下で、事業を継続している。黄金酒造が運営を行なっていた「薩摩ビール園」でのブライダル事業は、申立前から6月、7月における挙式等の予約が入っており、取材当日もブライダルフェアが開催されていた。

wedding_kanban.jpg ブライダル産業をめぐっては、全国的に挙式・披露宴価格の下落傾向が顕著だ。しかし、九州地域に限っては価格下落の傾向がほとんどなく、結婚式の規模は高水準で推移している。ゼクシィ結婚トレンド調査2012によると、1件あたりの九州の挙式、披露宴・披露パーティ総額は357.5万円、ご祝儀総額は279.8万円と、全国平均のそれぞれ343.8万円、226.3万円よりも高い。このため、福岡市や熊本市などに、全国展開を行なうブライダル業者の進出が相次いでおり、熾烈な競争が繰り広げられている。業界関係者からは、「九州は、あと5年価格が下がらないと踏んでいる。九州はブライダル産業にとって最後の砦」という声も聞こえてくる。

 しかし、進出企業は、福岡市や熊本市といった都市部に集中している。原因のひとつに、九州新幹線鹿児島ルート全線開業により移動が容易になったことが挙げられる。もともと、披露宴などは新郎・新婦の地元でとり行なう傾向が強い。しかし、移動が容易になったことで、居住地での挙式が可能となり、都市部の会場利用が進んだと見られる。これにより、都市部から離れた地方のブライダル業者は、顧客を奪われ苦戦する状況となっている。黄金酒造が運営していた「薩摩ビール園」のある霧島市も例外ではなく、顧客は鹿児島市内、熊本市へと流れる傾向があったという。

 ブライダル産業には、それぞれの地元に深く根付いているという特徴がある。黄金酒造がブライダル事業の存続を望む背景には、債権者のためだけでなく「地元で挙式をしたい」という人々の気持ちに応えたいとの思いがあるようだ。

▼関連リンク
・「薩摩ビール園」の薩摩麦酒(株)ら2社が破綻~健康医学社に連鎖
・破綻の酒造メーカー、事業譲渡先を模索


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