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福島は置き去りか? 棚ざらしの「子ども・被災者支援法」~川田龍平議員が熱弁
社会
2013年6月24日 10:34

 間もなく公示を迎える参議院議員選挙。憲法改正や経済政策などが争点とされるが、決して忘れてはならない『政治課題』が置き去りにされているのではないだろうか――。

0622_kawada.jpg 23日、福岡市東区の松島会館で開かれた松島校区設立20周年の記念行事で、みんなの党の川田龍平参議院議員が、「いのちが最優先される社会の実現へ」と題して講演。そのなかで川田議員は、2012年6月に衆参両院全会一致で成立した「子ども・被災者支援法」が、成立から1年経ってもなお基本方針が定まっておらず、予算がつけられていないという国政の実態を語った。

 10歳のとき、非加熱血液製剤によるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染を知らされた川田議員は、1995年3月、未成年者初の日本人HIV感染者として実名を公表。まだHIVへの理解も低く、発症を防ぐ薬もなかった時代、差別や偏見もあるなか、川田議員のもとには同年代の若者たちが次々に協力者となり、同年7月、3,500人が『人間の鎖』で厚生労働省を囲んだ。そして96年3月、東京HIV訴訟で勝利。当時、厚生労働大臣であった菅直人元首相が公式に謝罪。この経緯を説明したうえで、川田議員は、「行動することで社会は変わる」と訴えた。

 「子ども・被災者支援法」は、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」という正式名称の通り、福島第一原発事故で今なお苦しむ人々のための法律である。同法の内容は、子どもたちの無料健康調査や医療費の減免、被災者の避難する権利を認めるなどといったものだが、予算がつけられていないため、棚ざらしの状況が続いている。

 放射線の人体への影響は発症まで数年、場合によっては数十年と時間がかかる。川田議員は、HIV感染と比べて因果関係を特定することが難しく、速やかな行政の支援体制が不可欠と強調した。「私は37歳ですが、今は余生だと思っています。次の世代のために働きたい」という川田議員は、1日も早い同法の実行のために世論を喚起するべく、新刊「この国はなぜ被害者を守らないのか」(PHP新書)を6月16日に出版した。同著には、同法実行のために結成した超党派の議員連盟から、与党議員が次々と脱退していると記されている。

 このほか川田議員は、日本の感染症対策の遅れや、事なかれ主義の官僚機構、政治・官僚・企業の癒着を防ぐために求められる透明性など、国政におけるさまざまな課題を熱弁。熱心に耳を傾ける聴講者へ、「社会問題に関心を持ち続けてほしい」、「現実を知り、乗り越えないと安心して暮らせる社会にならない」と呼びかけた。

【山下 康太】

▼関連リンク
・この国はなぜ被害者を守らないのか(Amazon 商品ページ)


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