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全国から注目されている福岡のITへの取り組み
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2008年3月28日 16:06

 3月27日、福岡市ホテルニューオータニ博多にて福岡県の主催により「新ふくおかIT戦略シンポジウム」が開かれた。
中でも注目を集めていたのが、オープンソース・ソフトウエアとして無償公開されているオブジェクト指向言語「Ruby」をもとに、さまざまな勉強会や研究開発を行っている団体「Rubyビジネスコモンズ(以下RBC)」(会長・最首英祐氏)の福岡での取り組みである。
「Ruby」とは、島根県在住のシステムエンジニアまつもとゆきひろ氏が開発した言語であり、現在最も使われているといわれる開発言語Javaよりも開発力が高いとされており、国内だけでなく全世界で数十万人のユーザーがいると見られている。

全国的にもRubyでのシステム開発への取り組み、エンジニア養成などは進んでおり、自治体では島根県のホームページCMS(コンテンツ管理システム)、大手企業では楽天のホームページでのサービス開発システムを、Rubyを活用し構築された「Ruby on Rails」で行っている。

 福岡でもRBCは、Ruby on Railsを用いて一日でシステムを構築、結果を出す実践的な「イケテルRails勉強会」を毎月開催。また、ビジネスの視点からシステム開発の研究を進める「イケテルビジネス勉強会」を実施している。
特に、福岡でしか行われていない「イケテルビジネス勉強会」は全国から注目されている。開発者とビジネスを結びつけた勉強会であり、システム開発だけに特化せずビジネスの側面からさまざまな開発を考える勉強会になっている。また、最近はメディアでも取り上げられるようになった無料の無線LANアクセスポイントを活用した「天神Wifi空間」への取り組みも、この勉強会の中でのアイデアから生まれたものである。

 天神Wifi空間では、FONジャパンより当初200個の無線LANルーターの提供を受け、天神大名地区を中心に設置を進めていたが、同社よりさらなる提供を受け、エリアを福岡市に拡大し、設置を進めることにした。5月3日、4日に開催される「博多どんたく」が始まるまでには、天神地下街などの中心地区限定で、外国人観光客を視野に入れたホームページなどのサービスを開始する。


これまでにも無線LANによるフリースポットの計画は全国的にあったが、高額な初期投資などの理由により進捗が思わしくなかった。しかし、この天神Wifi空間はFONジャパンによる無線LANの無償提供、アクセスポイントの無償設置(回線は設置者の負担)など、安価な初期投資が可能だったことと、福岡県や市の協力を得たことでスムーズに進んでいる。
また今回、九州大学によって開発されたバッテリー駆動の手のひらサイズ無線基地局「picomesh」による簡単なアクセスポイント拡大の技術開発など、周辺の技術やシステムも徐々に形として現れ始めている。

 シンポジウム当日に基調講演を行った、新ふくおかIT戦略会議委員長で東京大学大学院教授の須藤修氏は、こうした福岡での開発言語Rubyを核として派生している環境は、全国で進んでいるRuby開発者や関連企業に大いに注目されていると話していた。
IT開発の環境として福岡は、産学官の連携がスムーズであり、ボランティアベースでの勉強会や研究会の存在、またビジネスベースでの実験や検証が行われているうえで非常に恵まれており、適している。また福岡県の人口年齢構成は東京都と酷似しており、テストマーケティング地域としても適していてることから、福岡のIT戦略は今後も全国からその動向が注目されることとなるだろう。

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