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<書評>岩崎芳太郎「地方を殺すのは誰か」
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2009年4月14日 15:41

【気になる本、ナナメ読み】 vol.14

 サブタイトルに「立ち上がれ、圧制に苦しむ地方の経営者よ!」とあるように、中央と地方の関係を改めて問い直し、中央集権官僚体制(および巨大金融資本による垂直独占)下で苦しむ地方の民間企業経営者に対して「立ち上がって闘うこと」を喚起している。

 地方を殺す主な要因が章立ての根幹となっており、(1)中央集権官僚体制(2)憲法の「欠陥」(3)金融庁不況(4)民営化・規制緩和(5)不公正な競争(6)リーダー不在という6つの柱を立てている。

同書を著した岩崎芳太郎氏が経営するいわさきグループ(本体は岩崎産業)は、鹿児島県下でも有数の企業で、バスや船舶など運輸を中心に50数社の関連企業を有している。
しかし、国やライバル企業に対する数々の訴訟や大胆なリストラ策のせいで、マスコミでも批判的に捉えられる向きが強かった。

 岩崎氏もそのことは自覚しつつも、自身が本拠を置く鹿児島が「社会契約説に基づいた法治国家的なシステムの対極にある」(3頁)ことに違和感を覚え、日本が法治国家である以上は法的手続きでしか問題が解決しえないことを前提として局地戦をしているようだ。

 「小泉・竹中構造改革は失敗」というのが同書の出発点とはなっているが、それよりも何よりも岩崎氏が憂慮しているのは、日本のあるべき理想の姿とは逆の方向にベクトルが向かっている現状。岩崎氏自身は資本家だが、だからこそ「資本主義の怖さ」も十分に把握しているのだろう。

※近日中に岩崎芳太郎氏のインタビュー記事の掲載を予定しております。ご期待下さい。

【大根田】

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