NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

選挙レポート

政権選択選挙の裏側(15) 40日間密着・福岡5区民主党の戦い
選挙レポート
2009年10月 6日 10:13

 投開票の朝、選挙事務所にはおよそ120の椅子が並べられ、来訪者と吉報の到着を待っていた。つい先日までの騒がしさ、活気はまったくなく、広い事務所には5名程度の秘書や事務員がいるだけで、寂しさだけが漂っていた。ひな壇が組まれ、取材・インタビューの準備が着々と進められる。
 午後をまわっても姿を見せる人はいなかった。ゆっくり、ゆっくりと時間が流れる。誰も座っていない椅子、誰も立っていないひな壇。普段なら1時間おきに支援者が来訪するのだが、この日は夕方まで誰も来なかった。
 陽が傾き始める。時間は4時を回った。昨日まで必死の応援をしてくれたボランティアスタッフたちが少しずつ集まり始める。5人、10人と人数は増えてゆく。
 「うわぁ、事務所がガラッと変わってる」
 「昨日の写真が貼ってあるね。この写真けっこういいじゃん」
 若者の明るい話し声が響く。けれども、選挙結果については誰も話をしない。あちこちで会話が始まっては途切れる。表面には現れていないが、場が緊張感で満たされているのが分かる。そんななか、噂ばなしがどこからともなく伝わる。
 「楠田の当確(当選確実)が開票率0%で出る」
 この話はすぐに広まり、いつの間にか周知の事実のようになっていった。
 6時を過ぎた頃、少しずつ支援者たちが集まり始めた。7時には用意された椅子がほとんど埋め尽くされた。テレビ局のスタッフも到着し、いよいよ開票を待つだけになった。
 8時。立ち見まで出るほど支援者が集まっている。その数、およそ150人。ひな壇の上には楠田候補と選対幹部の難しい顔が並んでいる。いよいよ、テレビ各局の選挙特番が始まる。事務所全員がテレビに釘付けとなる。開始から3分ほどで、1人目の当選確実者の名前が挙がる。続けざまに2人目、3人目と名前が発表される。いずれも福岡の民主党候補者だ。そのたびに事務所からは拍手と歓声が上がった。
 8時5分を過ぎた頃に、待ちに待った福岡5区の当確情報が発表された。
 「福岡5区、民主党の楠田大蔵氏当確です」
 その瞬間、割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こった。

(つづく)

【柳 茂嘉】


*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


選挙レポート一覧
選挙レポート
2010年7月12日 10:03
選挙レポート
2010年7月12日 10:00
選挙レポート
2010年6月29日 08:00
選挙レポート
2010年6月28日 10:53
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル