NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

選挙レポート

政権選択選挙の裏側(17) 40日間密着・福岡5区民主党の戦い
選挙レポート
2009年10月 8日 08:00

 熱狂から一夜明け、事務所は再び落ち着きを取り戻した。朝から見慣れた顔が並び、せっせと事務所の片付けにあたっていた。支援者も、ごくまれにしか姿を現さなかった。普段どおりの光景、といえばその通りだが、わずか一日でこれほどの温度差を感じたことはなかった。それほど激しいギャップがそこにはあった。
 並べられた椅子はすでに撤去され、広くなったフロアではひな壇の解体が進められていた。8月末日とはいえ、むっとする暑さに閉口しながら、数人のスタッフが木枠を崩し、ダンボールをまとめる作業に没頭していた。ただし、嫌な顔はしていない。心のうちに勝利の余韻を残しつつ、勝ち戦をかみ締めるように作業をしているのだ。
 「いやぁ、昨日はすごかったね。あんなに早く当選確実が出るとは思わなかった。もっとゆっくりドキドキ感を味わっていたかったんだけどねぇ。これは贅沢な話だね」
と作業の合間に笑みを浮かべる。
 昨日までいた20名ほどのボランティアのスタッフたちも、この日を境に顔を見せなくなった。祭りのあとの寂しさがそこにはあったが、けれどもこれからの期待にも満ちていた。
 小選挙区での勝利、すなわち福岡5区の民意を受けての当選である。これまでとは意味が違う。那珂川町、春日市、大野城市、大宰府市、筑紫野市、筑前町、朝倉市、東峰村から選ばれた衆議院議員は、楠田大蔵ただ一人なのだ。この地域の声を国政に届けられるのは、楠田大蔵だけなのだ。
 国政を経験するも、小選挙区では連敗を喫してきた楠田氏。今回やっと屈辱を果たすことができた。今からは実績を重ねなくてはならない。今回投票してくれた多くの人、それだけではなく、選挙区に暮らす全ての人々の思いを国政の場に届け、そしてよりよい生活を具体的に実現していく。選挙は、生活の大きな選択である。未来への期待を背負って、国会議員として何を成していくのか。選挙区に暮らす人の想いは、若い楠田大蔵の双肩にかかっている。その期待の大きさゆえ、応えられなければ大きな落胆にもつながる。期待に応え続けることができるのか。今からは、その一挙手一投足に注目が集まることとなる。
 若さ、情熱のすべてを国政の場で発揮して欲しい。それこそが、投票してくれた選挙民の思いに応えることであり、力の限り支援を叫び続けたボランティアへの恩返しである。喜びの第一幕は、すでに幕を閉じた。今から戦いの第二幕が始まるのだ。
 空を見上げてみる。雲が高くなっている。季節は秋にさしかかっていた。

(つづく)

【柳 茂嘉】


*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


選挙レポート一覧
選挙レポート
2010年7月12日 10:03
選挙レポート
2010年7月12日 10:00
選挙レポート
2010年6月29日 08:00
選挙レポート
2010年6月28日 10:53
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル