13日、福岡市中央区天神で、自民党、民主党、みんなの党が参院選に向けた街頭演説を開催。前哨戦もヒートアップしてきた。

　自民党は、天神の新天町アーケードで街頭演説。午前11時過ぎに同党公認で立候補する予定の元福岡県議会議員・大家敏志氏と麻生太郎元首相が登場すると、聴衆からは若者を中心に麻生コールが起こった。
　大家氏は「日本を守り抜くという麻生太郎氏の意志は、我々が引き継ぐ」「厳しい目で（候補者を見て）責任感を持って働く者を見極めて欲しい」と訴えた。次に演説に立った麻生氏は「成長戦略を示さないから、お金をまいても皆使わず、貯金に回すだけ」との民主党政権批判を展開したうえで「成長戦略は自民党が"いちばん"（参院選における自民党のキャッチコピー）」としめくくった。

　民主党は、天神イムズ前で街頭演説を実施。午後１時45分過ぎに民主・社民推薦、無所属で立候補予定の元大学教授・堤要氏と、民主党公認で比例に立候補予定の柔道の金メダリスト・谷亮子氏がマイクを握った。
　堤氏は「多様な雇用政策、教育・福祉の充実が経済成長につながる」との主張を展開、菅新政権については「市民感覚を持つ首相。政権交代の第２幕が始まる」と述べた。その後を受けた谷氏は、女性の就業促進と子育て政策の充実を強調。さらには、スポーツ選手の再就職の現状や女性選手の競技と子育ての並立の困難さ、満足な援助を受けられない競技団体の実状をふまえ、「スポーツ省、スポーツ大臣」の必要性を訴えた。

　みんなの党は午後、自民党と同じく新天町アーケードで街頭演説を実施。同党公認で立候補予定の佐藤正夫・福岡県議会議員が、ホワイトボードを使って同党の政策である公務員制度改革と地方分権を説明。「"廃県置州"を行ない、身近なところで行政サービスを受けられるようにする」「みんなの党を基軸にした政界再編を行なう」との主張を展開した。午後２時30分過ぎには渡辺喜美代表が到着。渡辺代表は「民主も自民も同じ。官僚の手の平で踊らされている」「口蹄疫は中央集権体制の弊害」「増税しなくても財政政権はできる」「（現在の政治体制は）官が民を支配する国家社会主義」などと激しい論調で訴えた。

　休日で多くの人が集まる天神で行なわれたこともあり、それぞれの街頭演説には多くの聴衆が集まった。若者から高齢者まで幅広い年代層が見られ、有権者の関心の高さがうかがわれた。現在のところ、参院選は６月24日公示、７月11日投・開票の見込み。また、同選挙へは、民主党公認の大久保勉氏、国民新党公認の吉村剛太郎氏の現職２名、共産党公認の篠田清氏、幸福実現党公認の吉富和枝氏らも立候補の意思を表明している。

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