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SNSI中田安彦レポート

シラケまくりの2012年米大統領選挙(前)
SNSI中田安彦レポート
2011年11月25日 10:04
2011年11月24日
副島国家戦略研究所・中田安彦

討論会.jpg 2012年にはアメリカでは4年に1度の大統領選挙が行なわれる。しかし、アメリカ国内の状況を見ていると、4年に1度のアメリカ人の「お祭り」であるはずの大統領選挙が今回はまったくといっていいほど盛り上がっていない。

 共和党は現職のオバマ大統領を引きずり降ろそうと、「失政探し」に躍起だ。23日、CNNも中継する形で共和党での指名に名乗りを上げている候補者たちが集まって外交安全保障問題を巡る議論を行なっていた。しかし、現在名乗りを上げている候補者のうち、外交政策に精通していると思える候補者は、現在ランキング最下位である前中国大使・元ユタ州知事のジョン・ハンツマンのみ。しかし、ハンツマンは、共和党のリバータリアンに属するロン・ポールと並んで、安全保障政策ではハト派である。現在世論調査で上位にランクしている、ミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事、ハーマン・ケイン(全米に展開するピザ・レストラン・チェーンの元オーナー)、リック・ペリー現テキサス州知事らはいずれも外交政策ではタカ派である。

 とにかく今年の共和党の候補者選びは「人材不足」というにふさわしい。大統領選挙前半で有力視されたのが08年の大統領選挙でマケイン上院議員の副大統領候補であった、サラ・ペイリン前アラスカ州知事。先の大統領選挙後、著作やテレビ番組への出演で顔を売っていた彼女だが、一部ではカルト的な人気を得たものの、真面目な共和党員からはとても「勝てる候補」として相手にはされなかった。

 そして、今年の春ころにはニューヨークで活躍し、奇抜な髪型と過激な言動で人気があった、不動産投資家のドナルド・トランプが、興味を示し、オバマが「実はケニア生まれであり、本当は大統領の資格がないのではないか」という過激な保守派の人種主義的な批判を受け売りしながら、オバマ批判を始めた。しかし、オバマが自らの出生証明書を公開した(オサマ・ビン・ラディン殺害の数日前)ことで、この騒動には完全に終止符が打たれた。直後にオバマが大統領とワシントンの政治記者たちとで毎年開催されているパーティにも出席するに至った。

 私はトランプはもともとから大統領選挙に立候補する気はなく、メディアに出てオバマの不正出生疑惑を声高に言うことで、逆に注目を集めさせ、頃合いを見てオバマがその疑惑を否定する証拠である証明書を公開する。そのような筋書きで保守派に根強かったオバマ批判の息の根を立つという狙いがあったのだと推測している。つまり、トランプはオバマに挑戦するふりだけをしてみせたという八百長芝居である。

(つづく)

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<プロフィール>
中田 安彦 氏中田 安彦 (なかた やすひこ)
1976年、新潟県出身。早稲田大学社会科学部卒業後、大手新聞社で記者として勤務。現在は、副島国家戦略研究所(SNSI)で研究員として活動。主な研究テーマは、欧米企業・金融史、主な著書に「ジャパン・ハンドラーズ」「世界を動かす人脈」「プロパガンダ教本:こんなにチョろい大衆の騙し方」などがある。

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