（株）グローバル・シーフーズのグループ企業ムラスイは、2011年12月に加工場の本格稼働を開始した。オゾン殺菌など最新鋭の機器を活用された加工品は高く評価されており、本年の早い段階でのHACCP（ハセップ）取得を目指している。取得すれば海外展開の加速が望め、すでに進出を果たしている香港・マレーシア・シンガポール・韓国などに加え、ヨーロッパ市場への本格参入する予定だ。

　海外出張が多い代表の三田村道洋氏は、国際社会で日本の存在感が下がっていることに懸念を示している。催しなどで「中国人の周囲に人が集まる一方、日本人は相手にされなくなってきた」と感じている。こうした現状は「単なる国際交流レベルでなく、国益に影響してくる」と危惧する。
　グローバル・シーフーズは、島国・日本の最前線で凌ぎを削る水産業会に身を置いている。そこで感じた危機感は深刻だ。「日本の漁師さんが、どういう状況で仕事をしているかを知るべきです」。さらに、水産業界だけでなく「行政を含めて今こそチームジャパンがひとつになる時」と声を強める。

　三田村氏が業界を取り巻く環境に警鐘を鳴らすのは、業界の未来に手ごたえを感じているからだ。水産資源に恵まれた地理的利点に加え、「丁寧に扱う日本の鮮魚・加工品は高く評価され高額で売れる」という。実際にグローバル・シーフーズは積極的に海外での展開を拡大し、実績を残してきた。

　「2000年の歴史を誇る日本の食文化は、他国にない『ブランド』。潜在的な需要は大きい」と、三田村氏は先を見据える。そのためにも、「魚を確保してくださる漁師さんが報われる仕組みをつくっていく」という。グローバル・シーフーズグループと水産業会の飛躍に向けて、足元を見つめている。

＜COMPANY　INFORMATION＞
■（株）グローバル・シーフーズグループ
代　表：三田村　道洋
所在地：福岡市中央区長浜3－11－3－5Ｆ
設　立：2003年11月
資本金：2,305万円
業　種：水産物貿易・製造販売
ＵＲＬ：http://www.global-seafood.jp/


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