社会保障と税の一体改革に関する自民党・公明党・民主党の3党修正合意について、民主党は18日に都内のホテルで合同会議を開いたが、小沢グループを中心とした増税反対派が抵抗し、3党合意の承認はきょう(19日)以降に見送られた。
合同会議には300人を超える議員が出席し、前原誠司政調会長は3党合意の承認を求めたが、「3党合意は認められない」といった反対意見が多く、承認には至らなかった。
川内博史衆院議員(鹿児島県第1区)は「3党合意は増税談合。民主党が自民党になってしまった。承認しろと言われても困る。これは民主党の存立にかかわる問題。消費増税だけを先行させるというは、選挙の時に国民の皆さまに言っていたこととまったく違うことをやろうとしているわけですから」と息巻いた。そのほか、増税反対派の議員から「自民党案の丸のみ」「マニフェストの旗を降ろした」など、反対意見が相次いだ。
前原政調会長は会見で「3党合意の修正に応じる考えはまったくない」とし、21日までに衆院採決する予定については「変更がないという前提で物事を進めていきたい」と語った。
現状で衆院採決を行なった場合、反対や欠席・棄権する議員が続出し、民主党は分裂するのでは? という見解がある一方、承認見送りは単なる「ガス抜き」で、最終的に採決に反対する議員は少ないという見方もある。
また、たとえ反対する議員が出たとしても、党内融和を掲げる野田首相が造反議員に厳しい対応を取る可能性は低い。2004年当時の岡田克也代表が、年金改革関連法案の3党修正合意案に反対した議員の処分を、見送った時のように。
これだけ対立が鮮明になったのだから、反対する議員は堂々と離党すればいいと思うのだが、それができないのが民主党に集う議員たちの特徴だ。政治停滞を打破するためにも、増税反対派の民主党議員たちに、立ち上がる「気概」を期待したい。
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