社内体制の大幅変更で注目が集まる(株)さとうベネック(大分市、大川義廣代表)。
そのさとうベネックが、「最近、不動産を買い漁っている」(不動産業界関係者)として、福岡都市圏で話題になっている。例えば、福岡地方裁判所における競売では、5月後半から6月後半開札分において合計6件を競落。このうち、5件は6月25日開札分に集中している。競売であるため各物件の価格は高いものではないが、合計すると総額5,800万2,000円分の不動産を購入したことになる。
思わぬ煽りを受けたのが地元の不動産業者だ。特に、中古物件を競売で安く仕入れるリノベーション業者は「あんなに手当たり次第にもっていかれたら、(自社販売用)物件の仕込みが出来ない」、「まるで(ゼネコンではなく)不動産業者みたい」と、ダークホースの出現に肩を落とす。
また、別の関係者は「オーナーの大川さんは、競売を上手に使う人」としながら、さとうベネックに「M&Aから半年経って、オーナー色が強く現れてきた」証と受け止める。ただ、6月25日の開札分を境に、落札者の欄に同社の名を見つけることはできなかった。
かかる大量購入が今後も続くのかは、同社の方向性を見極めるうえで参考になるものと考えられる。大分地区きっての名門地場ゼネコンは、大川オーナーの下でどのような変貌を遂げるのか。各方面からあらゆる意味で「さとうベネックは何がしたいんだ?」との関心が集まっている。
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