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福岡の特選企業

業界全体の振興を目指す活動に積極的に関与(後)~(株)アキラ水産
福岡の特選企業
2012年12月11日 07:00

<新鮮な原材料にこだわり、本物の味を追求した加工品が好評>
akirasuisan.jpg 魚食普及のためには、消費者に魚を美味しく食べてもらう機会や工夫をつくることが大切だと考える同社。その特徴は、何といっても市場内に加工工場を持っていること。市場で仕入れた新鮮な原材料を時間のロスなく工場に搬入することで、原材料を劣化させず、また衛生面でも有利な環境で加工品を生産できる環境にあり、こだわり商品の販売につながっている。
 天然鯛を使った「アキラの鯛茶」や良質の明太子を贅沢に使った「あきらめんたい」などがその代表作である。「アキラの鯛茶」はもともと本社事務所を訪れる来訪者向けの『お土産品』として手渡しされていたものだったが、予想以上に好評だったため、商品化したという経緯がある。その後、国内大手航空会社の機内誌で紹介されるなどして、全国から問い合わせが来るようになったのだ。また、「アキラのひもの」や「鮮魚詰め合わせ」など、その日に水揚げされた新鮮な素材を時間を置かずそのまま加工した「詰め合わせ」商品なども非常に好評である。

 しかし、これら同社の加工品にも弱点があった。それは、新鮮な原材料を使っているが故に商品数を大量に用意できないことだ。「アキラの鯛茶」は今のところ、本社のある市場会館の販売店でしか販売されていない。機内誌で商品を知った人が飛行機を降りて空港からタクシーを飛ばし、市場会館まで買いに来たという例もあるほど、一般ではなかなか入手困難な商品でもあるのだ。ほかの加工品に関しても、鯛茶ほど極端ではないが、数多く販売されているわけではない。

 そんな加工事業はこれまである意味、同社の補完サービスの一面もあった。しかし同社では、魚食普及にはこの事業を強化する必要があると事業を再検討し、12年10月に加工事業部を(株)ハクヨーとして分社化することにした。また、早期に独立採算できるように、新たな強化策に取り組み始めた。
 早急の課題として販売網の拡充があるが、現在取引のある量販店に対して、改めて加工品の売り込みを強めていく。すでに九州のみならず関東・関西の量販店からの問い合わせも来ているという。さらに、テレビの通販番組への商品提供やこれまで用意していなかった商品案内用パンフレットなどの販売ツールも制作し、「知る人ぞ知る」から「みんな知っている」商品へと認知度を高めていく。

 一方、商品ラインナップについても、すでに市内有名ホテルから招聘していた開発担当者のレシピにより開発を進めていた新商品第一号が、いよいよ発売の見込みが立った。それが12年中の発売を目指す「イワシの味噌煮」だ。その後も鯛茶や明太子に続く新商品を順次、開発・販売していく計画だ。
 「加工事業部門を分社化し、組織として強化することは、水産庁が提唱している『ファスト・フィッシュ(=魚をもっと気軽に食べてもらう活動)』という潮流にも乗ることですし、当社の理念でもある魚食普及にも大きな意味を持ちます」と語るのは、(株)ハクヨーを実質的に統括する坂田英治副社長だ。「アキラ水産本体ではなかなか動きにくかった販売をハクヨー側に持たせ、その機能を強化し、アキラ水産グループの大きな事業の柱と育てていくつもりです」と決意も力強く語ってもらった。

<新たな持株会社の下で組織力の強化を図り、次代へ>
 水産関連以外にも、自走式駐車場「アキラ・パーキング」(中央区長浜3丁目)を12年8月に開業するなど、経営の多角化を進め、さらなる基盤強化に進めている同社とそのグループにとって、13年は経営面でターニングポイントの年となりそうだ。
akira_p.jpg 現在、13年4月に持株会社をつくり、その傘下に現在の関連会社を置く組織体制の変更の準備を進めている。これは、各社の役割を明確化したうえで社会的な責任を果たしていくことを目的にしたもの。アキラ水産という名前を聞けば、今までは何でもやっている印象があったと思うが、13年の持株会社設立以降は、各社は自社の得意分野をさらに伸ばすことで、専門企業として顧客から認識されるようになることが期待される。また、グループ各社はときには協力し合い、ときには切磋琢磨することでグループ全体の成長を促し、安部社長の大きな目標でもある「100億円企業」達成を目指す。

 安部社長の力強い指揮の下、これまでも魚食普及や業界発展に尽力してきたアキラ水産。13年の大幅な組織変更の後に、どのような活躍を見せてくれるか注目しておきたい。

(了)

≪ (前) | 

<COMPANY INFORMATION>
■(株)アキラ水産
代 表:安部 泰宏
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-711
設 立:1960年4月
資本金:2,000万円
TEL:092-711-6601
URL:http://www.akirasuisan.co.jp/

<代表者 Profile>
abe_pr.jpg安部 泰宏(あべ・やすひろ)
 1939年3月29日、福岡市生まれ。福岡大学附属大濠高校卒業。現在、全国水産物卸組合連合会副会長として、魚食の普及に力を注いでいる。また、九州地区水産物卸組合連合会会長として、業界振興を図る取り組みにも積極的に関わるなど骨身を惜しまぬ活動を続けている。05年4月藍綬褒章受章、11年6月旭日雙光章受章。


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