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福岡市PPPは地場企業の転換点(後)~中央児童会館
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2012年8月24日 07:00

<中央児童会館>
0824_hukuoka_jidou.jpg 「PPPプラットフォーム」設置後、福岡市におけるPPP本格導入の先陣を切る事業となるのが、中央児童会館の建て替え事業である。同事業には、PPPにおける『定期借地・床賃借方式』(民設・公営)が適用される。
 同施設は同市の都心部にあり、築40年を迎えて建物が老朽化し、そのうえ耐震性にも問題(Ⅲ判定)があることから、建て替え(再整備)が喫緊の課題。場所は、多くの人通りで賑わう西通りのつき当たりで国体道路と交わるT字交差点のすぐ近く。周辺には商業ビルが建ち並ぶ。

 現施設は、おおむね乳幼児から小学校終了までの児童およびその保護者、子どもの健全育成に関わる個人・団体が利用対象。機能としては、発達段階に応じた遊びや活動の場として図書室・体育室・美術室・工作室・音楽室など。また、ローラースケート場(屋上)やビリヤード、卓球、ロビーでは将棋・オセロが利用でき、取材で訪れた際は、夏休みということもあって大勢の子どもで賑わっていた。このほか、同施設は、乳幼児親子の相談、一時預かりといったサービスも行なっている。

 事業所管局である福岡市こども未来局によると、スケジュール的には2013年度前半に業者の選定まで行なう予定。今のところ選定にかかるアウトラインなどを検討している段階だが、決まっているところとして、1,170m2(登記上)の敷地面積に建てられる新施設は7階建てとなる予定。4~7階に、児童の利用対象年齢を0~18歳まで拡大した中央児童会館および現在は中央区大名にある福岡市NPO・ボランティア交流センター「あすみん」の施設機能を移転するという。新しい建物の1~3階は事業者の裁量に任せる方針だ。
 なお、現施設の1階にある社会福祉法人福岡市保育協会中央保育園については、現地近隣に定員拡充をともなう移転改築を行なう予定である。

<望まれる地場企業の奮起>
 同事業の業者選定については、公募型プロポーザル方式で行なわれる。同事業では、市が土地を事業者に貸し、4~7階を市が借りて中央児童会館およびNPO・ボランティアセンターを運営(4~7階の内装工事費は市が負担)。1~3階と建物全体の管理を事業者が行なう。事業者には建て替え費用と土地の賃代、代わりに市から4~7階の家賃が入るが、1~3階の施設・テナントでも収益をあげなければ採算は合わない。ただし、上階に児童施設やNPO・ボランティアセンターがあることをふまえて、公共サービスの充実を図る観点からも、同じ建物の施設として内容を考えなければならない。

 この1~3階の内容については選定に際しての大きなポイントとなるだろう。選定は、事業所管局であるこども未来局によると、同局が設置する有識者など第3者を含めた選定委員会によって行なう予定。選定委員会の設置、選定基準の作成などに関しては、財政局アセットマネジメント推進部がサポートにあたる。この点において、選定における公平性を保ちつつ、『定期借地・床賃借方式』(民設・公営)の第1弾の事業として、存続性と公共性の高い事業計画が選ばれることが望まれる。

 得られたデータや商業地域という立地条件などから考えると、新施設が7階建てとした場合、延べ床面積は最大約7,000m2。建築費用は多く見積もって約17億5,000万円といったところだろう。その規模を考えれば、「PPPプラットフォーム」(12年度第2回)に参加し、前向きな姿勢を見せている地場企業が88社とはさびしい限り。福岡市活性化のためにも、『脱請負』を掲げてより多くの地場企業に奮起してもらいたい。

(了)
【山下 康太】

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