「鉄筋継手研究会」は、2009年（社）日本鉄筋継手協会が実施した「鉄筋継手工事表示仕様書」の大幅な改訂がなされたことで、複雑化する鉄筋継手技術を活用するとともに、正しい鉄筋継手を理解し最新情報を共有するための研究会である。今回、６回目となる研究会は年２回行なわれており、９月７日（金）午後１時から福岡国際会議場において開催された。まずは同研究会の事務局長である河村貴夫氏（（株）アクティス代表）が100名近い来場者に挨拶。来場した参加者に多種多様化する鉄筋継手の最新情報を行なって技術の活用を行なってほしいと呼びかけた。

　三部作に分かれて行なわれる主なテーマは「不適合」。まず、第一部の清水建設（株）角陸純一氏による「鉄筋継手の不適合の実例」では、数多く報告された不適合の実例を写真などで展示。不適合内容の説明と今後の取り組みなどを元に話がなされた。第二部は事務局員による「鉄筋溶接継手不適合の原因と是正」を取り上げ、実際に不適合となった継手の原因と要因、あらゆる角度からの事例を検証し報告がなされた。現場サイドから上がってきた事例をもとに、通常作業にありがちなミスからの不適合などを紹介。そして、どのように是正するのか細かい報告がなされた。

　そして、第三部は「過密配筋を解消する定着板」の紹介で、現場の要望から作業に関する専門知識向上をむけた製品を製造する企業の紹介がなされた。第一高周波工業（株）のＴヘッド工法と（株）ディービーエスによるＤＢヘッド定着工法のプレゼンが行なわれ、来場者から積極的な質問もあり関心の高さが伺えた。また、これらの工法による現物の資料も展示されるなど質の高い研究会となっていた。

　今後も年２回の定期開催が予定されており、鉄筋工事関係者に係らず興味のある方もぜひこの研究会に足を運んで頂きたいものである。

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