14日、福岡県みやま市瀬高町の天台宗永興寺で「火渡り」の神事が行なわれた。時折の小雨のなか、子どもからお年寄りまで、集まった人々がまだ熱が残る炭の上を裸足で歩き渡り、1年の幸せを祈願した。
古くから僧侶の修行の場とされてきた同寺は、福岡・佐賀・長崎・大分・熊本の5県にまたがる九州西国三十三箇所の十七番礼所という古刹。現在は、27歳の住職が代を引き継ぎ、寺の再興を目指している。新年を迎えて、同寺の本堂に掲げられた「鑑」の一字には、へびがとぐろを巻く姿に見える鏡餅になぞらえて、「自分を鑑みる年」との想いが込められているという。
人生初の「火渡り」に参加したという福岡市の会社員男性は、「(火渡りは)熱かったが厄払いになったと思う。新しい1年の仕事に、新鮮な気持ちで挑めそう」と、神事の後に振舞われた郷土料理の暖かい「だご汁」を食しながら笑顔で語った。
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