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未来トレンド分析シリーズ

世界の水危機に挑む(2)~空気から水を造る
未来トレンド分析シリーズ
2013年3月14日 07:00

_sora.jpg 最近は、「グロアシス」という商品名で知られるようになったアクアプロ社の商品は砂漠地帯において木を育てる上で欠かせない技術になるとの期待が高い。すでにサハラ砂漠での実験を通じて、その性能が立証されつつある。砂地とか岩場という劣悪な環境のもとでも、この装置を使えば大気中から必要な水分を吸収し貯蔵することで、そのボックスに植えられた木が大きく育つことが可能になるのである。
 ウォーター・ボックス自体はプラスチック製の長方形の箱で、真中に穴が開けられている。その穴に木を植え、箱の中には土が入っている。この発明品の特徴は夜間、水蒸気を吸収し箱の中に貯めておくことができること。もちろん、雨が降ったりした場合には、その水を貯めておき必要な水分を埋め込まれた木に与えることができる。しかも、強い太陽光線や風、あるいは雑草、害虫などから樹木の根を完全に保護してくれる。1年間そうしたウォーター・ボックスの中で育てられた苗木は、その後ウォーター・ボックスを取り除かれた後も自力で逞しく成長できるようになる。

 サハラ砂漠での実験では、2つのグループに分かれて、この技術の有効性が試された。1つのグループはこのウォーター・ボックスを利用し、もう1つのグループは自然のままに放置され、毎日人が水を与えるという条件に置かれた。その結果、3カ月ほど経った時点で2つのグループの成育状況を比べたところ、ウォーター・ボックスに植えられた木は90%以上が順調に育ち、緑の葉を増やしていた。極めて強い太陽の下に置かれていたにも関わらず、すくすくと育っていたのである。

 もう1つのグループは残念ながら毎日水を与えたにも拘わらず、90%以上が枯れ果ててしまった。発明者のホッフ氏に言わせると「このウォーター・ボックスを使えば、そして植えるべき樹木の種類を選べば、地球上の砂漠を緑地に変え農地に生まれ変わらせることも可能になるだろう」とのこと。中東やアフリカ、インドなど厳しい自然環境の土地にはこのウォーター・ボックスが強い味方になりそうだ。

(つづく)
【浜田 和幸】

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<プロフィール>
浜田和幸氏浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。現在、外務大臣政務官と東日本大震災復興対策本部員を兼任する。


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