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九大・箱崎キャンパス跡地は今後どうなる?~箱崎地区の現状と課題(前)
社会
2013年12月 9日 10:42

 現在、九州大学では、各地のキャンパスを福岡市西区と糸島市にまたがる新キャンパス「伊都キャンパス」へと統合移転させるプロジェクトを進めている。移転プロジェクトは「第Ⅰステージ」(2005~07年度)、「第Ⅱステージ」(08~11年度)と完了しており、現在は19年度までに完了を目指している「第Ⅲステージ」に進んでいる。
 伊都キャンパスへの統合移転が行なわれるキャンパスは、箱崎地区(福岡市東区)、六本松地区(福岡市中央区)、原町地区(福岡県粕屋町)の3カ所。そのうち、六本松キャンパスについては09年10月に移転が完了しており、現在、その跡地の再整備計画が進められている。

箱崎キャンパス 移転 箱崎キャンパスについても、05年10月の工学系移転を皮切りに順次移転が進んでおり、15年度に理学系、17年・18年度に文系、19年度に農学系が移転完了する予定となっている。その一方で、同キャンパスの跡地利用については、跡地の計画的なまちづくりと円滑な跡地処分に向けて、12年3月に「九州大学箱崎キャンパス跡地利用将来ビジョン検討委員会」が設置され、13年2月に同委員会より「九州大学箱崎キャンパス跡地利用将来ビジョン」が提言された。この将来ビジョンの実現に向けては「箱崎キャンパス跡地利用協議会」が設立され、13年度中にも「跡地利用計画(案)」をまとめるべく、協議・検討が重ねられている。

 箱崎キャンパスの跡地利用は、箱崎地区のみならず、福岡市および福岡都市圏の今後の発展にとっても極めて重要な課題である。ここで改めて、箱崎キャンパスの概要を整理してみる。

 広さ45.5haの箱崎キャンパスは、九州大学発祥の地であり、工学系、理学系、農学系、文系が集積した九州大学の本拠地であった。福岡市の都心部にほど近い東区の箱崎地区に位置しており、周辺には多々良川、宇美川が流れ平坦な市街地を形成。福岡空港、博多港、博多駅、福岡インターチェンジなどが6km圏内にあり、地下鉄箱崎線、JR鹿児島本線、西鉄貝塚線の駅からもほど近い交通至便地となっている。また、陸海空の物流拠点が近隣に位置しており、キャンパス周辺の幹線道路は、それらを結ぶ重要な動線でもある。

 このようにまとまった広さを有し、かつ交通利便性にも富んだ箱崎キャンパスは、福岡市街地においては言わば"一等地"であり、その跡地利用については多大な関心が寄せられている。
 だが、いくつかの課題もある。

箱崎キャンパス 周辺図 まず、土地利用の規制問題がある。箱崎キャンパスの跡地内は現在、都市計画上で第一種住居地域および第二種住居地域に指定されており、用途規制や建ぺい率、容積率などの制限がある。また、福岡空港に近く、キャンパス上空を航空機が往来するため、航空法による建物の高さ制限がかかっており、標高65~90mという上限が設定されている。
 次に、近代建築物の問題がある。箱崎キャンパス内には、大正~昭和初期に建てられた歴史的価値の高い近代建築物が多数残っており、その保存・活用についても考えなければならない。これら近代建築物を取り壊してすぐに更地に、というわけにはいかないのだ。
 さらに、埋蔵文化財の問題もある。この地区には、地下に箱崎遺跡や元寇防塁跡などが眠っており、遺物・遺構が出土する可能性がある。そのため、建物解体時に試掘調査を実施する必要があるのだ。

(つづく)

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