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柳川市議会9月定例会を振り返って(上)
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2008年9月20日 09:30

 既報のように9日から3日間行なわれた柳川市議会の一般質問は、ピアス社跡地と旧柳川ホテル買収に係る有印公文書偽造に関して、発言者の約半数の6議員が質問に立った。

 9月議会もこれまでのように同じ問題が繰り返されてきた感がある。このことは依然としてこれらの問題が解決には程遠い現実を示していることになるが、その原因が現市長の行政手腕に帰するものなのか、はたまた市長個人の資質に依るものか、それとも「議会の横暴」に依るかの判断は、柳川市民と読者にお任せすることになる。
 ここで少し、ピアス社跡地と旧柳川ホテル買収に係る有印公文書偽造問題について議論の整理をしてみたい。

《有印公文書偽造問題》

 この問題は、合併前の柳川市が2005年3月に旧柳川ホテル跡地を購入したことに端を発している。旧柳川市は観光用の駐車場として使用することを目的に2,300平方メートルの土地購入を柳川市土地開発公社に依頼した。そこで公社は民間から約1億2,000万円で購入している。その後、市が開発公社に対して交付した業務委託契約書に当時の市長公印が漏れていたことに気づいた職員は、県の監査で指摘される前に、無断で市長公印を押して書類を偽造したとされる問題である。その職員は昨年に有印公文書偽造問題で書類送検されている。このことが明らかになったのが、今年の3月議会であった。
 
 この問題は3月の柳川市議会定例会、そして6月の定例会の一般質問でも取り上げられ、次第にその内容が明らかになってきた。
 2006年1月に当時の公社理事長あて、2月に市長あてに刑事訴訟法第197条第2項により照会状があり、書類提出を求められた。07年6月に、土地開発公社が旧柳川ホテルを買収するに際して契約書に不備があり、公印管理上問題があるので被害届を出すようにとのことであったので、市は被害届を市長名で6月28日付けで出している。そして聴取された職員は7名である。

 以上は公の議会の場で明らかにされたが、市長は答弁を二転三転させ、被害届は「総務部長」が提出した、ということになっている。市の公文書でも被害届の写しは残っていないということであるので、その真偽は定かではない。しかしここではその点について深追いすることは止めにして、9月議会に親市長派議員からなされたこの問題に対する「援護射撃」発言の意味も含め整理したい。
 
「有印公文書」が偽造されたのは土地開発公社への市からの業務委託契約書。その契約書に当時の市長公印が漏れていたので、職員が「無断で市長公印を押印した」というものである。

 この問題を巡って議会多数派と市長との間で攻防が展開されたことは既報の通りである。親市長派からこの問題についての「特別委員会の設置」(前市長の土地取引に疑惑がある)が提案されたが、少数によって否決された経緯が事態を「政治化」させていると言える。

つづく


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