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農業を基盤にしつつ、変化に機敏に対応して市の活性化を(上)
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2008年9月22日 10:00

福岡県みやま市長  西原 親氏

2007年1月に旧瀬高町、旧高田町、旧山川町が合併し新生「みやま市」が誕生した。みやま市は人口4万3千人で、県下28市の中で6番目に人口が少なく、高齢化率は県内第1位である。農業が盛んで就業人口割合は県内第2位、農業産出額は、久留米、朝倉市についで第3位となっている。初代市長の西原親氏に話を聞いた。

意思疎通を密にし、市政へ反映する

-合併して一年半が経ちましたが、市政運営のご感想をお聞かせください。
西原
 3町が合併して、思いのほか地域エゴが少なく、みなさん協力的です。何とか新しいみやま市をつくっていこうという市民の気持ちがそうしたエゴを抑えているのではないかと思っています。たまに、瀬高中心主義だという声もなくはありませんが。
今一番の問題は少子高齢化と人口減少です。1年間で4~500人減少しています。活性化が失われている大きな原因です。大型量販店は別にして、地元の店では全く物が売れず、商店街が衰退していっています。悪いながらでも農業者の方がましだという嘆きの声が聞こえています。

-市政運営で気を配られてきたことは何でしょうか。
西原
 わたしは前もって議会側と意思疎通を図っています。大事な問題については議会と十分に話をしており、ご理解を願ってきています。例えば、保健医療経営大学の用地を無償譲渡から無償貸与にできたことは、議会の協力で実現しました。また福祉バスを走らせることや消防署の出張所も実現しそうです。マニフェストに掲げた「行政の透明度を高める」ために全小学校区で行政懇談会を2年間かけて15校区で開催して、行政への要望を聞いたり、市の施策への理解を深めていくことにしています。きめ細やかに市民の意見を聞いて市政に反映させていくつもりです。

歴史と伝統を「ブランド」化へ

-みやま市は県下でも有数の農業地帯で生産額もトップクラスですが。
西原
 農業についてはJAとよく協議して進めています。JAの取り組みと市の独自の取り組みを連携させながら進めています。高田町ではブルーベリーが盛んですので女性を中心にジャムなどの特産品作りをしていますが、まだ「ブランド」化には至っておりません。農業は、歴史も長く伝統があり、各部会がしっかりした市場を作ってきています。例えば、山川みかんは東京・大阪で流通・市場を形成し連絡が密になっています。いちごも市場がしっかりしています。問題は価格面です。品質を高め、ブランド力をつくることが大切だと思います。
 直売所は2ヶ所あります。瀬高の「卑弥呼の里」は年商1.71億円で、農家は1割の手数料を支払うシステムです。高田の「花野果館」は年商6,000万円ぐらいあります。

-後継者不足はどこの市町村でもありますが、みやま市ではどういう対策をされていますか。
西原
 特にミカン農家は経済基盤が苦しくなっている状況が続く中で、「嫁」の来てがいません。みやま市では、八女広域の市町村(八女市・筑後市・八女郡)が設置している出会いの場を提供する「結婚サポートセンター」に加入しています。結婚サポートセンターでは、毎月1回出逢いのパーティーをしています。毎回男女30名ほど参加しています。男性は八女市、八女郡、筑後市、みやま市限定で、女性の制限はありません。現在までに15組ぐらいカップルができています。行政がかかわり会費も安く、安心して参加されて、好評です。

つづく


                    


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