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福岡への提言

「顔が見える都市づくりが福岡発展の鍵!」~博多港ふ頭(株)・江頭社長
福岡への提言
2010年8月13日 08:00

<日本一のエコターミナルをめざす>

香椎ポートパーク 福岡都市高速道路を東へ走ると、箱崎ランプ辺りから左手、アイランドシティ方面に目をやると、赤と白のコントラストが美しい大型ガントリークレーンの姿が見えてくる。福岡市よりコンテナ・ターミナルを一括借受して、博多港における効率的な運営と円滑な物流を担っている会社が、「博多港ふ頭株式会社」である。同社は現在、釜山やシンガポール、上海などといった飛躍的な伸びを見せる東南アジア諸都市の港との熾烈な競争を強いられていると言っても過言ではない。そんな状況下で同社が取り組んでいるのが環境対策を前面に打ち出した港湾施設の機能充実だ。
 「当社では既にCO2排出量の削減を目指しハイブリッドの荷役機械・トランスファクレーンを導入しています。今回、九州地方整備局がアイランドシティ・コンテナターミナルにおいて、CO2排出量の80%削減を目指した荷役機械電動化の社会実験を行ないます。『日本一のエコターミナル』を目指します」とは同社の江頭社長。なぜハイブリッド化を急ぐのか。それは環境対策に熱心な企業は物流に対してもエコに強い会社を選ぶ傾向にあるから。つまり荷主(顧客)から選ばれる条件に「環境」も重視されているのだ。〈広大なエリアの一元管理〉〈24時間体制・元旦のみ休業の364日体制〉という国内他港に勝る利点に加え、クリーンな港湾施設としてのシステムを充実させることが、海外・国内の港間で激化する競争を勝ち抜く最大のポイントという。
 そんな次世代の物流システム構築を進める江頭社長に福岡の活性化のために何が必要なのかを尋ねた。

<東アジアを身近にする空港や港湾が活性化の基本>

 「昨年、話題になった羽田空港のハブ化ですが、福岡にとってはメリットがそんなに大きいとは思いません。もし羽田のハブ化が進むと、人や物の流れが東京を経由することになり、相当な時間の無駄になるからです。海外、特にアジアに行く場合、日本の西に位置する福岡は直接、西へ向かうほうが絶対に便利です。仮に上海やソウル、香港などへの飛行機の便が現在の倍や3倍あれば日帰りも可能になります。そういった意味で、国内外の諸都市を直結する航空路線の充実と空港の拡充は最大限に努力すべきです。物を運ぶ港湾施設もさらなる機能強化が必要でしょう。また、それら空港や港湾を消費地や住宅地と結ぶ鉄道や道路も整備しなければなりません。空港や港が市街地から遠いとメリットの享受が少なくなるからです。サービス、情報、人、物の流れが滞らないように交通体系を整備することが福岡活性化の基本要素になると思います」。
 さらに江頭社長は、山笠やどんたくといった祭りが残り、海にも山にも近い福岡の地勢・風土にも注目する。「昔からの文化が息づき、自然も多い福岡には街としての風格があります。東京のような大都市を目指すのではなく、文化、教育、産業、さらに人情味や下町感覚といった心の部分までもが残っていて、それらひとつひとつの特徴ある要素が一堂に集まった都市を目指す。例えば各分野に特化した専門店が集まるモール街のようなコンパクトな都市づくりが福岡には似合う気がします。福岡都市圏250万人ぐらいの規模がちょうど良く、『顔が見える都市』として魅力を発揮できるのではないでしょうか」。

<プロフィール>
江頭 和彦 (えがしら かずひこ)江頭 和彦 (えがしら かずひこ)
九州大学工学部を卒業後、運輸省(現・国土交通省)に入省。運輸省港湾局、新潟県港湾空港局長、国交省九州整備局長などを経て、2006年、福岡市副市長に就任。同年6月、同社代表取締役社長に就任し、現在に至る。工学博士。


<会社概要>
博多港ふ頭(株)
代表者:江頭 和彦
所在地:福岡市東区香椎浜ふ頭4-2-2 香椎コンテナ・ターミナル
設 立:1993年4月
資本金:7億円(授権資本金:9億6000万円)
TEL:092-663-3111
URL:http://www.hakatako-futo.co.jp/


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