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無節操なリーダーが教育機関のトップ(下)
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2010年9月 5日 08:00

立花学園元理事長の過去・現在

<乗っ取り屋の異名と金の亡者>

 貝原氏は、学校法人東京ドリーム学園という専門学校の理事長でもある。同学園は、貝原氏が買収したとされている。
 また、熊本県人吉市のホテル華の荘(華の荘リゾート(株))の代表取締役でもある。同ホテルは、05年6月に破綻した(株)今村建設が所有していたホテルで、当時資金繰りが逼迫していた今村建設に対して、貝原氏がホテルの営業権を買収して代表に就いた。そして、今村建設が破綻した後、同ホテル不動産を競売にて落札して手中に収めた経緯がある。3~4億円規模の物件である。
 「このホテル買収は、まさに貝原氏の乗っ取りであろう。今村建設と言えば、当時は熊本県建設業協会の会長であった。今村建設が資金繰りに困窮していたところ、貝原氏がアプローチしてきた。本人は表に出ない。たしか"納富"という貝原氏の秘書的な人物が、実務者として活動していた。今村建設の資材会社に対する支払を立て替える代わりに、ホテルの営業権を買収したのである。一度標的を定めたら、とことん尽くして手なずけるのが貝原氏のやり方。品川ナンバーの運転手付きのベントレーでこのような田舎町に乗り付けられたら、つい信用してしまう。うまいというか、ずる賢いというか...強引ではなかったので、乗っ取り稼業の人とはまったくわからなかった」と、人吉・球磨地区地元経済界の消息通は語る。
 さらに貝原氏は、熊本県球磨郡五木村に山林200haの所有財産を有している。この山林の取得経緯に関しても、貝原氏の狡猾さが浮き彫りになっている。
 これについて、前出の経済界消息通は、「92年頃、当時の山林所有者に貝原氏から突然連絡が入り、『会おう』ということになった。その所有者は、山林97haを担保に農林中金熊本支店から約9,000万円を借り入れていた。当時は木材価格の急落により、その9,000万円を早急に返済せよと農林中金側から催促があったようだ。その所有者は、やむなく200haの所有山林を売却して返済することを決意。連絡を受けた貝原氏と面会し、200haと97haの所有山林を買ってもらうことにして、貝原氏もそれを了承した。売買価格は3億円で締結。その後、貝原氏側から、『農林中金と話をつけた。9,000万円の債務を3,500万円まで引き下げる交渉に成功した』と連絡があった。これは、貝原氏が当時の農林水産省の事務次官とのつながりで農林中金に口利きしてもらい、債務カットが実現したと言われている。
 ありがたいと思っていた矢先、その後の売買代金の入金がなく、問い合わせしても貝原氏側はまったく応じないため、2億7,000万円の支払いを求めて熊本地裁人吉支部に訴訟を起こした。最終的に、2億7,000万円の山林を8,500万円で和解した。その後、債務の3,500万円を差し引いた5,000万円が、貝原氏側から数年にわたってダラダラと入金があった。
 なぜ当時の山林所有者に債務があったことを知ったのか定かではないが、幅広いネットワークを有して、これと決めたターゲットはうまくもてなして引き込んで信頼させる手法が、貝原氏のやり口だ」と、乗っ取りの手法を赤裸々に述べた。
 教育者であったはずの貝原氏の裏の顔、乗っ取り屋としての姿が浮き彫りになった。

<迫る立ち退き期限 学園のその後は>

資金収支計算書、消費収支計算書 貝原氏が運営していた立花学園は、どのような経営状態であったのだろうか。その調査をするために、福岡県私学学事振興局に対して情報公開請求を行なった。その結果、直近の資金収支計算書、消費収支計算書ならびに貸借対照表については開示された。しかし、科目の詳細部分が黒塗りの状態での開示となっており、中味が判明しない科目が多く存在する。すべてを開示しない理由として県側は、「資金収支計算書、消費収支計算書および貸借対照表の小科目および欄外注記については、法人独自の経営上の秘密やノウハウなど、競争上の地位その他正当な利益を害する恐れがあるため開示しない(補助金収入に係わるものは除く)」と回答している。
 過去に教育界のみならず、乗っ取りや金銭トラブルなどさまざまな事件やトラブルに関与している貝原氏に、経営者としての資格があったかどうか疑問が残る。同学園は、10年3月期の資金収支計算書によれば、県から1億2,402万5,867円、市から170万2,360円の補助金を受領している。言わば、我々住民の税金が注がれているのである。今まで述べてきたように、教育者としても経営者としても失格と言わざるを得ない貝原氏が、いったいどのように学園を経営してきたのか。当然ながら、我々にも知る権利はあるし、でたらめな財務ではないかチェックする権利もある。議会で取り上げてもらい、経営実態を明らかにすべきであろう。
 そして冒頭に述べたように、今年6月28日に貝原氏は同学園理事長を辞任していた。現在の理事長である齋藤眞人氏に、ことの経緯を取材すべく数回にわたって連絡・訪問しているが、いまだ面談が実現していない。貝原氏は同学園の経営において、もはや自身がおいしい思いができないと察知して自ら退散したのか、はたまた何らかの不正が露呈しそうになってあわてて身を引いたのか。突然の辞任については謎が残る。
 実は同学園の敷地は福岡工業大学が所有しており、16年12月31日までに立ち退きを行なわなければならない。同学園の消費収支報告書によると、10年3月期の消費収入が3億2,222万8,992円と、09年3月期と比較して約3,100万円増加、学生生徒納付金が5,316万円増加している。この数値からは、同学園の特色である"不登校生徒の自立サポート"のニーズが高まっていることがうかがい知れる。
 現理事長である齋藤氏は、父兄やその周辺からの評判は高い。貝原氏が去った同学園の運命は、舵取りを託された齋藤氏の双肩にかかっている。

立花学園 要約貸借対照表

(クリックで拡大)
(了)

【河原 清明】

[COMPANY INFORMATION]
学校法人立花学園立花高等学校
理事長:齋藤 眞人
所在地:福岡市東区和白丘2-24-43
設 立:1957年4月

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