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情報公開の成功事例~福岡市・行政改革の実態(17)
行政
2011年2月 2日 07:00

 今回は、「こども病院移転計画調査委員会」の委員長に就任された北川氏のもとで三重県の県政改革に尽力され、現在はニュースゼロのメインキャスターである村尾信尚氏の著書「役所は変わる。もしあなたが望むなら」(淡交社)のなかから、行政の決定プロセス(過程)の情報公開を徹底することにより、行政改革を推進した成功事例をご紹介させていただきます。

 「情報公開のメリットはほかにもあります。財政赤字を抱えている役所が、この情報公開を武器にして、歳出をカットしていくこともできるのです。
三重県の「公的関与の考え方」. その事例を紹介しましょう。私が大蔵省から三重県総務部長として出向したときのことです。三重県は3,000以上の事業を行なっていましたが、総務部財政課で、後で述べる<公的関与の考え方>に基づいて廃止の方針を内々決めたものが275事業ありました。そして、他の部局とすり合わせをしないまま、ひとつの試みとして、その275事業の廃止案を議会と県民に公表してしまいました。
 『総務部としては275事業を廃止したいと考えていますが、これらは関係部局と調整していないので、これからオープンな議論をして結論を出したいと思います』と発表して、予算編成の意思形成過程を公開したのです。県議会はこれを受けて公開の特別委員会を設け、県会議員の前で275事業のひとつひとつについて、その取扱いを議論しました。275の事業を廃止したい私と、事業の担当部長が並び、私が廃止意見を、担当部長が存続意見を述べるのです。委員会は議員だけでなく、住民、マスコミも入る公開討論です。テレビカメラが常時状況を映し、新聞記者も毎回報告します。議員も族議員のような発言はできません。こうして、公開の場で事業の見直しを行なったところ、275事業のうち、202事業を廃止しました。
 このように情報公開を利用して、今までは関係団体とのしがらみもあってカットできなかった予算や事業を廃止することも可能になるのです」(52、53頁より引用)。

 この事例は、たしか平成8年頃の改革ですから、14~15年も前になります。しかし、「徹底した情報公開」の手法は、今でも目を見張るものがあります。

(つづく)
【寺島 浩幸】

≪ 第16回「画期的な高島市長の『決断』」 | 

<プロフィール>
寺島浩幸氏寺島 浩幸 (てらしま ひろゆき)
福岡県立修猷館高校、福岡大学法学部法律学科を卒業。1987年に福岡市役所入庁後、総務局法制課、人事委員会任用課、情報公開室係長、市長室経営補佐係長、議会事務局法制係長などを歴任し、2010年8月退職。在職中、主に法律関係の職務に従事するとともに、市長直属の特命業務や議員提案条例の支援を担当するなど、市長部局と議会事務局の双方の中枢業務を経験。
 現在は、行政書士事務所を開業して市民の身近な問題の解決をサポートするとともに、地域主権の要となる地方議会の機能強化を目指し、議員提案条例アドバイザーとしても活動中。

<主な実績>
・日本初の協定方式による第3セクターの情報公開制度の条例化
・日本初のPFI事業(タラソ福岡)の破綻再生
・日本初の「移動権(交通権)」の理念に立脚した議員提案条例の制定支援

▼関連リンク
寺島氏ブログ
・ツイッターは、コチラ


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