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第三セクターが抱える問題(2)~福岡市・行政改革の実態(23)
行政
2011年2月10日 07:00

 第三セクターは、従来、複雑多様化する行政需要に機動的・効率的に対応するため、その活用が図られてきました。具体的には、(1)機動性の導入、(2)民間活力(資金、人材など)の活用、(3)経費の節減、(4)行政サービスの向上などの効果を期待されています。つまり、前回お話ししたアウトソーシング方式や公益ネットワーク方式による「行政サービスの提供主体の多元化」と同様の効果を期待されているわけです。
土地開発 そもそも、地方自治体が第三セクターを設立して、行政サービスの提供など行政目的を実現することが適当であると認められるためには、公共性・公益性上の必要性が存在しなければなりません。なぜなら、第三セクターへの出資や運営経費は公金が支出されているからです。

 よって従来から、総務省などは、第三セクターが行なう事務事業は、(1)社会的便益が広く地域にもたらされる事務事業、(2)事業収益を一定程度地域社会に帰属させることが望ましい事務事業、(3)民間資本を中心とする事務事業であるが地域振興などの観点から地方公共団体が資本参加をする必要があると認められるものに限定すべきであるとしていました。
そして、上記の(1)および(2)の事務事業を行なう第三セクターは、行政サービスの提供など地方自治体の行政目的実現を目指すものとして「行政補完型セクター」と呼ばれ、上記の(3)の事務事業を行なう第三セクターは、「官民協調型セクター」と呼ばれていました。
 しかしながら、少子高齢化、人口減少、低成長経済、市民ニーズの多様化、NPOやその他の非営利 民間組織(民間公益活動組織)の台頭などの特徴を有する「成熟社会」の現代においては、行政サービスの効率性、有効性、多様性が強く求められ、「新しい公共」の理念のもと「官から民へ」とシフトしていかなければ効果的な行政サービスなどの供給が困難な状況になっています。非営利 民間組織が育っていない分野は第三セクターに頼らざるを得ませんが、そうでない分野は第三セクターではなく、純粋に民間のNPOや企業と連携・協力していくことが求められます。

 そういう意味では、今後は原則として第三セクターは整理・統合していく必要があると考えています。福岡市役所では30数団体の第三セクターがありますが、多すぎるように感じています。

(つづく)
【寺島 浩幸】

≪ 第22回「第三セクターが抱える問題(1)」 | 

<プロフィール>
寺島浩幸氏寺島 浩幸 (てらしま ひろゆき)
福岡県立修猷館高校、福岡大学法学部法律学科を卒業。1987年に福岡市役所入庁後、総務局法制課、人事委員会任用課、情報公開室係長、市長室経営補佐係長、議会事務局法制係長などを歴任し、2010年8月退職。在職中、主に法律関係の職務に従事するとともに、市長直属の特命業務や議員提案条例の支援を担当するなど、市長部局と議会事務局の双方の中枢業務を経験。
 現在は、行政書士事務所を開業して市民の身近な問題の解決をサポートするとともに、地域主権の要となる地方議会の機能強化を目指し、議員提案条例アドバイザーとしても活動中。

<主な実績>
・日本初の協定方式による第3セクターの情報公開制度の条例化
・日本初のPFI事業(タラソ福岡)の破綻再生
・日本初の「移動権(交通権)」の理念に立脚した議員提案条例の制定支援

▼関連リンク
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