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検証ベスト電器

ベスト電器は生き残れるか(4)~テレビをパソコンが食い潰す
検証ベスト電器
2011年3月15日 07:00

 ベストの2010年2月期連結決算は、売上高が前期比▲7.1%の3,456億1,900万円、営業利益▲52億3,000万円、経常利益▲56億9,800万円、当期純利益は事業構造改善引当金を含む290億6,900万円を特別損失として計上し、▲374億4,800万円の過去最大の大幅赤字となった。09年2月期までに蓄積した812億1,400万円の純資産も431億1,600万円となり、過去の遺産を半分食いつぶした。

 さらに、品目・事業ごとの売上高を見てみよう。「エコポイント」「地デジ化」にあと押しされたテレビは大幅に売上を伸ばし、724億5,300万円となった。しかし、そのほかの品目がまったく振るわず、とくにパソコン・事務機器関連は価格の下落と需要減少が相まって前期比▲132億8,600万円となる768億6,600万円にとどまった。
 
 では11年2月期はどうか。同社が今年1月13日に発表した業績予想(売上高3,300億円、営業利益50億円、経常利益40億円、当期純利益9億円)に基づいて、予想数値を出した。すると、やはりテレビの増加率をパソコンの減少率が食い潰すかたちとなっている。また、移動体通信関連も大きく落ち込み、前期比▲77億300万円が見込まれる。背景には、デフレに加えて、iPadなどのタブレット型端末やスマートフォンの普及によってパソコンや移動体通信機器の需要が以前よりも減ったことがあるのだろう。
 
 売上高の約1割を占め、ライバルに比して強みを見せるアジアでの事業も、11年2月期第3四半期で売上高240億8,900万円に対して2億2,200万円の営業損失を計上しており、暗雲が立ち込めている。
 
 同社は財務体質を健全化する一環として不動産売却に躍起になっている。物件はいくつかあるようだが、たとえば福岡市中央区今泉にある物件(土地保有者・(株)泰陽商事(今年2月に解散)、建物保有社・ベスト)の入札を行なった。「ベストは最低9億円を要求していたが、入札価格はいずれも8億円に届かず折り合いがつかなかった」とも聞かれる。こうした不動産資産の売却がうまく進まなければ、財務体質の改善も難しいものとなる。

 また、「取引業者に対する踏み絵もあるのでは」という話も聞かれる。ある工事業者は「昨年末、ベストから『当社の株を買ってくれ』と打診された」という。その業者は断ったようだが、なりふり構わない資金調達ぶりも垣間見える。

ベスト品目・事業別売上高推移

(つづく)

【大根田 康介、流通取材班】

COMPANY INFORMATION
代 表:小野 浩司
所在地:福岡市博多区千代6-2-33
設 立:1953年9月
資本金:318億3,278万円
年 商:(10/2連結)3,456億1,900万円


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