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対中ODAは増やさないと明言した松本外相~東日本大震災後の日本と世界の未来を読む(4)
未来トレンド分析シリーズ
2011年6月16日 07:00
国際未来科学研究所主宰・参議院議員 浜田和幸

 5月31日に行なわれた外交防衛委員会の質問に際して、小生の質問に対する松本外相、北沢防衛相の答弁で、とくに注目に値すると思われたのは以下の3点である。

国会議事堂 第1は、日米首脳会談とTPPに関して。当初は6月末までに決定を下すとしていた菅首相だったが、9月の訪米時に先延ばししたようである。とはいえ、オバマ大統領には「できるだけ早く結論を出す」と約束したという。けれども、そうだとするなら、与謝野大臣が答えた「11月に決める」という説明はウソということになる。

 この点を問い質したのだが、明確な回答はないまま。中身のはっきりしないTPPについて、いいかげんな約束をアメリカと交わしている菅政権の危うさが改めて浮き彫りになった。

 第2は、世界に広がる「小麦サビ病」の猛威について。2009年に日本政府が「国際とうもろこし・小麦センター」に資金提供を行ない、この病原菌に耐性を持つ小麦の新品種の開発に成功したとの答弁があった。本当なら朗報だが、現実には国連の警告でも「世界の小麦の80%が被害にあう可能性が高まっている」と懸念されている。外務省の説明だけでは、研究成果が出ているとは、にわかに信じがたい。

 第3は、対中ODAの行方。菅首相は「震災対応が落ち着いたら、ODAの予算を何倍にも増やす」と発言したため、世界第2の経済大国になった中国へのODAも増やすのか確認した。松本外相は珍しく「対中ODAは増やさない」と明言。

 ところが、軍備増強にひた走る中国が日本のODAを軍事転用に流用してきた恐れはないのか、と質問したところ、北沢大臣からは「友好関係を大事にする中国を疑うことはあってはならない」という趣旨の答弁が返ってきた。これでは尖閣も沖縄も、いわんや東シナ海の海底油田(日本領海内)も守れるはずもない。

 とにかく菅政権の「仮免ドライバー」ぶりは危なっかしくてしょうがない。

(つづく)
浜田和幸オフィシャルブログより引用>

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<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。

7月4日に浜田和幸氏の特別講演会「東日本大震災後の日本経済と世界動向の未来を読む」を開催します。
セミナーの詳細・お申し込みはこちら >>


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