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チャイナビジネス最前線

アジアのつながりを武器に~立石揚志氏・退任記念講演(中)
チャイナビジネス最前線
2011年6月21日 07:00

<突然のTPP登場とアメリカ>

 東アジア共同体構想が最近、さっぱりと聞こえてこなくなった。2001年ごろ、中国が日中韓の3カ国で対等に自由貿易することを提案してきたのだが、当時の小泉首相はそれを断ったことで、中国はアセアン相手に方向を転換した。その後、中国はどんどん大きくなり、安倍、福田、麻生政権ともにだんだん不安になっていったのだ。当時、中国が急速に強くなってきていたので、アセアン+日中韓では、中国にイニシアティブを取られてしまうと考えた。そこで、アセアン+6カ国にしたら、中国の力をうすめられるのではないかと。そうこうしているうちに、日本では政権交代が起こった。

 アメリカは以前から、アジア諸国から仲間外れにされることを警戒していた。マレーシアのマハティール首相(当時)などは、日本に主導権を握ってほしいとか言っていたようだが、アメリカのオバマ大統領は、5年で貿易額を2倍にする構想を打ち立て、そのねらう先はアジアだと考えていたようだ。そこでTPP(環太平洋経済連携協定)構想が登場してきたのだ。

 日本がTPPに入ることで、輸出が伸びるということは恐らくないだろう。TPPは言うなれば、アメリカと日本の二国間FTAだ。アメリカのルールでもう一度、世界を支配し直したいというのが、アメリカの真意なのだ。

立石揚志氏 TPPに関連した、きちんとした論文を書いている識者はみんなTPPに入ることに反対の意見だ。何となくアメリカにくっついている方が間違っていないのでは?という論調が、日本にはいまだに根強く残っている。TPPには、中国は参加しないと言っている。韓国はもしかして参加するかもしれないが、ベトナム、マレーシア、ブルネイは入っている。それぞれの国で、アメリカへの思惑があるのだ。たとえば、マレーシアは対米資本がかなり入っているし、ベトナムは貿易があまりうまくいっていない。ベトナムは中国に比べて、社会インフラが整っていなかったり、産業集積ができていなかったりしている。その結果、人件費は安いものの、生産コストは中国より高くなるという現実がある。ベトナムは対米貿易を活性化したいのだ。

 そうしたなか、日本にはどういうメリットがあるのだろうか?私はほとんどないと思う。あまりにも日本の大手メディアがTPP参加に反対ということはありえないという論調になっている。ただ単に、アメリカにくっついていく方が良いという風潮はもう少し考え直すべきではないかと思う。

(つづく)

【杉本 尚丈】

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▼関連リンク
・【動画】アジア経済と共にした半生~立石揚志氏・退任記念講演


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