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ハマタケがほえる

松本龍 中選挙区制・福岡1区が育てた「最後の大臣」(後)
ハマタケがほえる
2011年7月 7日 07:00

<ナマの情報を大切にしていた>

 「君は将来がある、(筑紫野市はいずれ2人区になるから、今から)県議に出てみないか」
龍さんとの人間関係もでき、私はずけずけとモノを言うようになったが、本当に耳を貸していただいた。議員会館で長居しても、嫌な顔ひとつせず、接していただいた。そして、私によく、地元の情報を求められ、私は脚色なく、率直に答えていたことを思い返す。
 多くの人にとって、当時、龍さんは福岡県連では絶大で、近づき難い存在になっていた。タブー(福岡のマスコミはオフレコを含め、龍さんの意のままだと某新聞記者があの記者会見後、こっそり教えてくれた)もあった。ましてや、龍さんにあらがう人は皆無だった。おそらく、ご家族を除いて・・・。

松本龍氏 今回の辞任劇も「奥さんから話を聞いて」の下りがあった。大臣の周りはイエスマンばかりだったのではなかったのだろうか。現在、福岡県の民主党国会議員は、当時に比して多く選出されており、それも優秀である。なぜ、彼らは具申しなかったのか。
 環境大臣に就任後の動向を聞き知る度に、「こうしたらいいのに」「なぜ気づかないのか」ということを強く感じた。辞任の会見でも「本を売りつける」と言ってしまった。大平正芳総理は「(自分の話を聞いてくれる)壁になる人」を重宝した。龍さんの周りにいる彼らを良く知っているだけに本当に残念でならない。

<衆議院公認争いから除籍処分>

 楠田幹人氏(元筑紫野市長、楠田大蔵衆議院議員の実父)から「浜武君に実に良い話がある」と七区(柳川・大牟田)転出が準備された。「浜武さんには選挙区さえ空けば」と楠田大蔵代議士がねぎらっていたその時、ペパーダイン大学事件で古賀潤一郎氏が議員辞職し、2区が空いたのである。

 すべての要件が揃い、私は衆議院に立候補を表明した。マスコミからの集中放火(1時間40分を越える県政記者クラブでの記者会見。あとから聞いたが在福の女性テレビ局関係者が民主党から出馬を模索していたようだった)を浴び続けている時、龍代表は非公式に私をあの箱崎の事務所に呼んだ。
 龍代表とのやりとりの詳細はここでは触れないが、私が申し訳ないと思うくらい厳しい表情だった。もう、私を助けようがなかったくらい、私の主張は強かったのだろう。
 除籍処分まで2カ月を要した。昨今の手早い各政党の除籍処分を思えば、時間がかかったのは、私に対する温情だったのかもしれない。

<旧福岡一区が育んだ最後の大臣>

 死刑宣告(民主党福岡県連幹部)で切られた私だが、楢崎弥之助、太田誠一、山崎拓、神崎武法と旧福岡1区選出の代議士が近年の日本の政治を動かしてきた。だから龍さんが環境大臣になったのは、「あの日」を見た青年としては率直に嬉しかった。

 そして、環境大臣としての仕事内容も情報が入るに連れ、旧1区選出の代議士たちに肩を並べる行動力に舌を巻いた(多分、筑紫野市の産廃問題も解決する動きが見えていただけに残念だ)。
今回、「大臣の側近がなぜもっと・・・」という想いと、「私も含めて小選挙区時代の政治家が、旧1区が生んだ5人のようになれるのか?」という不安を覚える。龍さんの第一線からの失脚は、彼を育ててきた福岡の有権者にとって損失であろう。

 しかしそれ以上に、2区、3区、4区で、色々な名前を聞くが、仕組やルートばかりを気にして、昔私たちが見た、楢崎弥之助、太田誠一、山崎拓、神崎武則、松本龍各氏が繰り広げた国家国民のための、切磋琢磨、精進を聞かない。このことが本当に情けないことだと思えてならない。

(了)

【浜武 しんいち】

≪ (前) 

<プロフィール>
浜武 しんいち浜武 しんいち (はまたけ しんいち)
 1965年10月23日、東京都大田区生まれ。74年、筑紫野市へ転居。84年、東福岡高校卒し、フリーデザイナーとなる。95年、久留米大学法学部を卒業後、政治家を志す。97年、筑紫野市議 落選(次点・626票)。99年、新党さきがけ福岡県支部筑紫野連絡所所長就任。2001年、筑紫野市議 初当選(1,200票)。03年、民主党福岡5区総支部常任幹事および同組織委員長に就任。05年、筑紫野市議 2選(1,581票)。07年2月、民主党福岡県連より除籍。同年4月、衆院福岡2区補選 落選(2,857票)。09年、筑紫野市議 3選(1,328票)。11年1月、筑紫野市長選挙に出馬、3,765票で落選する。
 なお、政治活動のほか、理数専門塾(株式会社 FCS数学教室)の主宰、番組制作会社の主幹も務めている。

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