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大阪維新のエネルギーは波及するか?(後)
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2011年12月 7日 07:00

 大阪ダブル選には、河村たかし名古屋市長が代表を務める地域政党・減税日本からも選挙支援が行なわれていた。大阪維新の会市会議員団・辻淳子副団長のもとで、選挙戦を支援した減税日本の関係者は取材に対し、「政治家には多少なりとも私利私欲があると思っていた。しかし、厳しい市民生活の現状を目の当たりにして、心を動かされない政治家はいないのではないか。辻さんもきっとそうだったと思う」と語った。

 辻市議の選挙区である西成区には、日雇い労働者の町と言われる「あいりん地区」がある。高齢化が進むなか、昨今の不況にともないホームレスが増加している同地区の状況を見て、前出の減税日本の関係者は心を痛めたという。

 西成区では、大阪市長選の告示前日に松井一郎現大阪府知事による演説が実施され、告示日から3日続けて、橋下徹前大阪府知事が入った。辻市議によると、告示前から「橋下が当選したら、敬老パスを取り上げる」「生活保護費が減る」といったウワサが流れており、当初、「独裁者はいらん」などと、ビラさえも受け取ってもらえないような状況が続いていたという。(敬老パスとは、70歳以上が地下鉄、市バスなどの交通機関を無料で利用できるという乗車証のこと)

 結果的には、西成区を含む大阪市全24区で橋下氏が現職・平松邦夫氏の得票を上回る完全勝利となった。「圧勝」と語られることの多い大阪ダブル選だが、追い風を実感し始めたのは選挙期間のなかばを過ぎてから。当初、大阪維新の会陣営は、かなりの苦戦を覚悟していたという。その状況を覆せたのは、橋下氏自らが先頭に立って行なった有権者への直接的なアプローチを重視した選挙活動にあったのではないだろうか。

 ここにひとつのポイントがある。「全タックス・イーター(既得権側の人間)との戦い」(元経済企画庁長官・堺屋太一氏)におけるカギは、"票の掘り起こし"だ。演説で橋下氏は「既得権側の人はみんな向こうに行きました」と述べ、投票率の増加が勝利の必要条件であるとして、聴衆へ投票を熱心に呼びかけた。そして、これまで投票率が低かった地域においては、大阪同様に非既得権側の巻き返しが十分に可能であることを大阪の人々が証明した。民意は、既得権側の人間を動かすこともできる。

また、草莽から志士が現われることも民意の表徴である。「今年4月に通った新人はすごいですよ。司法書士、弁護士、企業経営者、元府職員など、いろいろなプロとしての力を持っています。そして、新人だからこそ、市民目線のすごく大切なことを言ってくれます」と、辻市議は市議団副団長として、新しい同志たちを絶賛する。

 大阪維新のエネルギーは、それまでの無関心層を巻き込み、全国へと波及する。そのパワーには、少数派である既得権側を重視した従来の政治のやり方ではとても太刀打ちできないだろう。

大阪維新の会の街頭演説に集まった人々

(了)
【山下 康太】

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