ただ、2012年という短期的なことで見れば、景気が良くなる材料はそろっている。その1つは、「震災復興景気」だ。もちろん、被災された方々には、いまだ大きな悲しみとダメージがある。しかし、「復興したい」「復興させたい」という想いは、国民共通の想いだ。そのため、このことに関連した消費は確実に増える。また、震災直後の自粛ムードも解消されたので、この面での消費も増えている。
また、2012年は世界の主要国の大統領選挙が相次いで行なわれる。そのため、各候補者は景気対策や失業対策、福祉の改善などの財政投入を打ち出す政策を提唱するだろうから、経済にとっては一時的には好材料になるだろう。どの国でも「自国の貨幣を強くさせたい」と思うので、今年は一時的に円安になるだろう。
問題なのは、その結果生じる財政赤字の拡大をどのように解消させるかだが、その策をまったくと言っていいほど打てていない。日本国内では、団塊の世代がいよいよ65歳に突入し、税を払う立場から受ける立場に変わること、金余りが続いているとはいえ、そのお金は銀行が取り込んでしまい市場にはほとんど出回らない、といった不安材料が残ったままなので、景気は決して良くはならない。銀行は企業の再建にオフバランスばかりを勧めているため、仮に企業単体としては再建ができたとしても、資産の売却やリストラにより総資本は小さくなっていくし、雇用も減少してしまう。コンサル付きの劣後ローンの組み替えも、後々には大きな問題を残すことになるだろう。
総じて2012年は、9月頃までは対前年比でプラスに転じるものの、9月頃からは長期的なトレンド―つまり、下方向に戻るのではないかと予測される。
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