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【企業研究】不動産事業伸ばすビジネス・ワンHD(株)の弱点(前)
特別取材
2012年1月12日 13:00

 ソフトウェア開発業として創業したビジネス・ワンホールディングス(株)は、不動産事業の強化により一時期の業績不振から脱した。ところが、マンション管理部門は2012年3月期第2四半期決算において赤字に転落。飛躍の切り札と期待された同部門が負担となっている。

<不動産進出で上場後の窮地から脱却>
 ビジネス・ワンホールディングス(株)の前進・(株)ビジネス・ワンは1987年に長崎市で法人化された。同社が手がける業務用パッケージソフトウェアは当初から高く評価され、リコーや大塚商会といった販売力のある大手と窓口を形成していった。とりわけ書類作成システム「写楽々」は、96年に政府表彰を受賞。その後の躍新を支えた。2001年1月にはグリーンシート市場に登録、03年2月には福証Q-Boardに第1号として上場を果たしている。

 ところが、その後は業績が低迷。03年3月期に2億9,423万円だった売上高は04年期に2億1,454万円に減少。7,250万円の経常赤字に転落した。その後も05年売上高2億0,729万円に対し経常赤字9,678万円、06年売上高2億4.055万円に対し経常赤字3,000万円、07年売上高2億4,270万円に対し経常赤字9,446万円と、4期連続で販売管理費を吸収できない売上不足に陥った。新たなヒット商品が生み出されないなか、ソフト開発業者としての限界が浮き彫りとなった。

A-3.jpg こうしたなか、不動産事業やマンション管理事業に積極的に乗り出していく。07年10月にマンション管理会社のホワイトアメニティ(株)を買収。08年1月にもネットワークサポート(株)を買収すると、08年10月には両社を合併し現在の(株)ビジネス・ワンファシリティーズに商号変更。さらに10年3月にも(株)クロスコミュニティを子会社化。買収したクロス社社長を(株)ビジネス・ワンファシリティーズの兼任の社長に就け、一気に基幹事業のひとつに仕上げた。

 この他の事業では、(株)ビジネス・ワンファイナンスの設立(08年3月)や新(株)ビジネス・ワン設立とソフト部門の移管(08年7月)、ビジネス社自身の商号変更(08年7月)と持ち株会社への移行、不動産事業の(株)コスモライト(10年8月)の買収など、事業部門も増加させた。現在のグループの売上比率は不動産事業49%、マンション管理事業38%、ソフトウェア事業4%。ファイナンス事業1%。その他7%となっている。

 こうした取り組みの結果、業績も持ち直し、09年3月期以降は黒字を回復。とくに10年から11年にかけて大きく飛躍した。単体での売上高は4億2,402万円から12億8,265万円、連結ベースでは10億1,532万円から21億3,520万円とほぼ2倍に飛躍している。不動産事業は前年の2億1,560万円から11億4,980万円と9億3,419万円の増収で5倍以上の急成長を遂げた。同社のV字回復はそのまま不動産部門の躍進となる。

(つづく)
【鹿島 譲二】

| (後) ≫

<COMPANY INFORMATION>
■ビジネス・ワンHD(株)
代 表:尾崎 朝樹
所在地:福岡市中央区薬院3-16-27
設 立:1987年8月
資本金:4億3,603万円
業 種:不動産・マンション管理ほか
売上高:(11/3連結)21億3,520万円


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