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固い財務基盤を持つ頭ひとつ抜きん出た存在(後)~(株)ゼネラルアサヒ
特別取材
2012年2月23日 16:00

 厳しさを増す印刷業界において、最新の設備を有することで、顧客の満足度アップとさらなる顧客の囲い込みを展開する(株)ゼネラルアサヒ。業界でも有数の財務基盤を持つことで、地場での知名度も高い。業界への逆風に晒されているなかでも同社の経営の強さを改めて検証してみた。

0223_taisyaku_1.jpg 事業比率は印刷業が約90%、その他ホームページ製作などが約10%となっている。営業から企画、DTP、製版、印刷、製本、パッケージ、配送まで一貫して自社で行なうことができる。しかも、先行投資を積極的に行なうことで最新機器が導入されており、その結果、制作時間の短縮が可能になっていることや、そのほか多種多様な紙に関する印刷に対応できる点が大きな強みと言える。同社は、いかに顧客の満足度を上げ、ほかの業者に対して優位に立つことが重要かを認識している。

 近年、通販業者に対してのダイレクトメールなど、広告戦略のトータル営業プランの提案を提供することで同業界への深耕を行なっている。だが、悠香においては、主力製品である石けん「茶のしずく」の成分に小麦が入っていたことで、販売を自粛。その影響を同社も受けた格好となり、額は約20億円にのぼると噂されたり、取引に大きく影響されたのでは、との話がめぐった。これに対して同社の担当者は、「取引金額は言えません。ただし、(自粛の影響で)取引額は減少しています。弊社としては大きく問題視していません」とコメント。同社の事業規模から見れば、自粛を行なった悠香に対してもとくには心配していない様子であった。

<固い経営基盤で先行投資を行なう>
0223_gyouseki.jpg 印刷業界が年々厳しさを増して競争が激しくなってきている状況下、営業力の強化を図る同社は、11年3月期で売上高140億円を超えた。加えて、コスト圧縮を図るなどして営業損益段階で20億495万円の利益を計上。当期損益段階でも10億7,059万円の利益を確保するなど、高い収益面が反映されている。このため、財務面も非常に強固な状況を反映している。短期借入金10億円も金融機関との付き合いと割り切っているうえ、11年6月にはすべての金融機関との付き合いも減額し、合計5億円の短期借入金だけにしている。これは、金融機関に頼らない財務体制を再構築しているのでは、とも見て取れる。しかも、総資産158億1,204万円に対し、純資産は96億196万円。純資産比率は何と約60%を保ち、現金預金は57億5,610万円、月商換算にして4.9カ月分を持つ。加えて、登記上の本社、糟屋郡の工場は無担保。代表宅も担保設定されていない。「基本的に、担保の設定は行なわない」と前出の担当者はコメントしており、不動産に頼らない資金調達が垣間見える。前述したように設備投資も旺盛に行なわれており、11年3月には最新型のA横オフセット輪転機を印刷機メーカー大手から購入している。

 最新の設備を先行投資で購入し、加えて高い営業力を兼ね備えていることから両輪がうまくかみ合っている様相が見える同社。これらのことを踏まえても、潤沢な資金繰りで固い経営基盤をもち、まさに地場業界では抜きん出た存在とも言えるだろう。

(了)
【道山 憲一】

≪ (前) | 

<COMPANY INFORMATION>
代 表:松岡 弘明
所在地:福岡県糟屋郡粕屋町柚須94
登記上:福岡市東区松田3-777
設 立:1964年10月
資本金:5億5,456万円
売上高:(11/3)140億2,281万円


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