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玄海原発を考える(27)~玄海原発は危険性が高い
脱原発・新エネルギー
2012年4月11日 07:00

 こういった武力攻撃の問題は玄海原発に限ったことではないが、実際になされてしまったら、本当にひどい被害が発生するだろう。そして、九州に住む者の多くが故郷を追われることになる。

genkai.jpg 玄海原発の特殊な事情と言えば、プルサーマルだ。3号機に使われている核燃料で、通常の低濃縮二酸化ウランにプルトニウムを混ぜた混合燃料だ。プルトニウムはもっとも強い毒性を持つ放射性物質のひとつ(異論もあるが、α線を出すプルトニウムが体内に取り込まれたら、良いことはないだろう)である。普通の原子力発電でも、ウラン238に陽子がひとつ加わってプルトニウム239が生成されるが、それに加えて燃料としてプルトニウムが入れられているので、万が一の際には、より多量のプルトニウムがまき散らされることになるだろう。比重が非常に重いため、遠くに散らばることは考えにくいけれども、玄海町や唐津市など近隣地区では長期間、息が吸えない状況に追い込まれるだろう。

 原発は危険なものを取り扱っている。これは間違いない。放射線は目には見えないし、味も臭いもないけれども、人体に甚大な影響を与える。これも間違いない。しかし、5重の壁や冷却系などがあるため、通常の場合ならば危険性は高くはない。これも間違いなさそうだ。万一の際には地域に壊滅的なダメージを与える。その万一は自然だけではなく故意の工作も含まれる。これもどうやら間違いなかろう。

 以上はどの原発にも言えることだ。これに加えて、玄海原発の特殊な事情が加わる。まずは1号機の中性子照射による脆性遷移温度が、90度を超えている可能性があるということ。90度以下の状況になった場合、クラックが走ったり、衝撃に弱くなったりする可能性がある。それゆえ1号機は止めた方がよい。

 さらに立地的な問題である。玄海原発が置かれている玄海町は、豊臣秀吉の朝鮮征伐の基地があった場所だということも忘れてはならない。朝鮮半島に暮らす人々は、その歴史を決して忘れてはいない。日本に攻め入るモチベーションの高まる地なのである。戦略的に重要か否かではなく、感情的な力添えになるからだ。そういった意味で、玄海原発は「危険」と判断できると思われる。

すなわち、冷却系など自己に包含する危険性を低める努力と、自然災害に対する備えの充実に比べると、人為的な武力に対する備えは十分とは言い難いと思われるのである。これが、玄海原発を「危険」と言う理由だ。

 次から、玄海原発で事故が起こった場合の被害を想定してみよう。

【柳 茂嘉】

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